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謎のトタン板~大阪の街道モノ語り⑯
亀岡街道を歩いて大阪府豊能町を訪ねたのは、2023年5月でした。豊能町は、さまざまな石仏・石塔があることで知られています。大阪府と京都府亀岡市の府県境に近い、豊能町牧には「牧庚申塔」と「牧役の行者(まきえんのぎょうじゃ)の石像」があります。(亀岡街道は単行本『大阪の街道を歩く』には未収録)
街道から東へ入ると、道の両側に、それぞれに向かう案内板があります。
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庚申塔に行った後、役行者像に向かおうとしたところが、道の途中、トタン板が行く手を塞いでいます。
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何かの事情で「立ち入り禁止」になっているのだと判断し、来た道を引き返しました。たまたま出会った農家の男性が、
「行けましたか?」
「石像に」ということだと思って、トタン板のことを話すと、
「あれは、しし(イノシシ)除け。またいで行って下さい」
なるほど。お礼を言って、再び向かいました。トタン板をまたいで進むと、さらに案内板。
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やがて木立の中に石室と、豊能町教育委員会の説明板がありました。
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石室の内部にある役の行者像は、江戸時代の作と伝えられています。
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街道に戻るため、道を引き返しました。最初に「?」と思ったトタン板を反対側から見た図
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農家の男性と出会わなければ、役行者像は拝まず、諦めて帰っていたところでした。