手拭い@道明寺~大阪の街道モノ語り④
写真の手拭いは、大阪府藤井寺市内、東高野街道沿いにある道明寺(真言宗御室派)で求めたもの。描かれているのは「木槵樹(もくげんじゅ)」です。
木槵樹、または木槵子(もくげんじ)。「ムクロジ科の落葉高木。中国原産で寺院などに栽植。高さ一〇㍍以下、葉は羽状複葉。夏、黄色の小花を大きな花序につけ、長楕円形の蒴果(さくか)を結ぶ。球形の種子は数珠玉に用い、また、花を目薬や黄色染料とする」(『広辞苑』第七版)
道明寺は、菅原道真の先祖・土師(はじ)氏の氏寺として建立された土師寺を起源とする尼寺。道真が九州・大宰府に左遷される途中、この寺にいる叔母の覚寿尼を訪ねたという、ゆかりの寺院です。
境内にも木槵樹が植えられています。
人形浄瑠璃「菅原伝授手習鑑」で、道真が道明寺を訪れた時のドラマを描いたのが二段目の切「杖折檻の段」「東天紅の段」「丞相名残の段」(歌舞伎では「道明寺」)。
「丞相名残の段」に、
「尽きぬ思ひに堰き兼ぬる、涙の玉の木槵樹。数珠の数々繰り返し…」
との詞章があります。
道明寺については、単行本『大阪の街道を歩く』の「東高野街道(26)藤井寺市(その2)」(112ページ)で記しています。
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