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大阪の街道と蔵元③

(前回「大阪の街道と蔵元」③の続き)

 「能勢街道」は明治期の呼称で、近代に入ってからも道筋に変遷がありました。連載の続「大阪の街道を歩く」では諸資料を参照して経路を決定。能勢町を南下していったん兵庫県川西市に出、池田市で大阪府域に入ります。
 池田市域を歩いたのは2022年1月8日。同市新町で国道173号から東へ、旧街道の細い道が残っており、その沿道に趣のある古民家。「これは造り酒屋では?!」と足を止めました(写真1枚目)。
 池田のお酒では「呉春」が有名ですが、他にも蔵元があったとは、不覚にも知りませんでした。池田市教委の説明板には「国登録有形文化財 吉田酒造(主屋、蔵、塀)」と明記しています。

 諸街道が交わる池田の地は、近世に在郷町(農村部の商工業集落)として発展しました。同説明板によると、酒造業は明暦3(1657)年に42軒を数えたとのことです。

 「呉春」は大阪市中の酒販店でも入手できますが、吉田酒造の銘酒る「緑一」は、見たことがなく、私にとっては「幻の酒」でした。池田を歩いて半年後、大阪の蔵元が一堂に会するイベント(大阪市内)に参加した際、「緑一」を試飲できました。

 試飲できたブースには吉田酒造の方はおられませんでしたが、どこで買えるのか聞くと、「阪急宝塚線の池田駅前にあるダイエーの酒販コーナーなら、間違いなくあります」とのこと。その足でその池田に飛んで、買い求めました。「池田の猪買い」(上方落語)ならぬ、「池田の酒買い」

吉田酒造株式会社
http://www.midori-1.jp/