それでも世界は...
人はいつか幼少期にあった純粋さはなくなっていく。
でもそれは体が成長したからだと成長の過程で気付かされる。
そして幼少期は終わり思春期になると多くの子供は純粋さを忘れ人に対して罵詈雑言を平気で語れるようになる。人から言われたら嫌なことを平気で言う
、他人と比較する。
人生はここまでつまらないものかと思春期に思い晒されることになる。
そう思い返していると3ヶ月前の出来事が頭をよぎる。
「理子またテスト高得点だったんだってな」
「いやいやそんなことないよ」
「ほんと理子は優秀ねそれに比べて…」
母は勉強中の僕に聞こえるように言った。
「〇〇ごめんけど今から理子とお父さんとご飯食べてくるからカップラーメンでも食べておいて」
「え?でもお兄ちゃんは?」
理子は僕を申し訳なさそうに僕を見た。
僕は理子を心配させないように笑顔を作って言った。
「別にいいよ、理子行ってらっしゃい」
「うっ、うん?」
理子は困惑した顔で母と父に連れていかれた。
理子達が家から出て行った瞬間僕は反発的に机を叩いていた。
元々成績不良の僕より成績優秀な理子を優遇しだした。
僕は何も言わずに学校で生活を行っていた。
でも現実は残酷で成績は上がるどころか下がるばかりそして文化祭の日僕はあることを聞いてしまった。
「なぁ知ってるか?理子の兄貴って〇〇先輩らしいよ」
「まじ?あの成績不慮の?」
「そうそう、全然似てないよな」
「ほんとそれ」
「世の中には兄より優秀な妹っているんだな」
理子と同じクラスの男子二人が僕の陰口を言っている姿を聞いてしまった。
その時僕の心の中の何かが切れる音がした。
僕は次の日の放課後誰もいない教室に1人残り何かを書いていた。
それは理子に当てたメッセージだった。
僕は簡単なメッセージを書き終えると本来なら立ち入り禁止の屋上への階段を登っていた。
屋上の扉をあけ清々しいほどの空模様…人の心もこんなに清々しかったらと思う。
僕は空を見上げたあとすぐに手すりにより手すりの内側を出ようとした…その時だった。
「何してるの?〇〇くん!」
僕は声のした方に目をやるとそこには同じクラスメイトであり生徒会長の大園玲が息を荒らげながら見ていた。
「別に大園さんには関係ないじゃん」
「関係あるよ!同じクラスメイトじゃん」
「うるさいな君に僕の何がわかるの!?」
「確かに分からないよ!…でも相談に乗って話を聞くことくらいはできるよ」
それを聞いた僕は手すりの内側に戻り大園さんに話を聞いてもらった。
家族と上手くいっていないこと、成績が悪くて色んな人からバカにされてること…僕は色んなことを大園さんに言った。
「そうだったんだね。気づいてあげられなくてごめんね」
「なんで大園さんが…謝るの?」
「さぁ?でも他人事では無いからさ」
「どういうこと?」
「私も中学の時に色々あってさ同じ道を歩もうとしたんだけど…その時当時の生徒会長に助けて貰って…だから私も同じだよ」
「大園…さん…」
「〇〇くん、確かにこれからも色んな人から色んなことを言われるかもしれない…でもそれでも世界は素晴らしいからさもう少し人を信じてみてよ」
大園さんの涙からの訴えに僕はもう少し人を世界を信じてみることにした