ワンナイトの関係
珍しく会社に残って残業をして家に帰っていた。
〇〇 「転職しようかな?」
初めて『転職』というワードが頭によぎった。
会社員になって早5年、女絡みもなく平穏に暮らしているがやはり性欲には勝てないのが現状だ。
駅の前まで着くと若いカップルがキスをしてイチャついていた。
〇〇 (いいよな若いカップルってやつは、ノリであんなことしちゃってさ、リア充なんて爆発すればいいのに)
そう思いながら駅のホームに向うがまさかの終電を逃していた。
俺は腕時計とスマホの時計を合わせて見てみると腕時計は1時間遅く動いていた。
〇〇 (うそだろ?明日も仕事なんやぞ)
どうするか迷い駅の外に出てサイフの中を確認した。財布には五万円ほど入っていた。
〇〇 (飲むか)
そう思い立ちすぐに夜の街に繰り出した。
近くの居酒屋にひとりで入りカウンターに座るとすぐに生ビールを頼み待っていた。
少し待つとすぐに生ビールが運ばれてきて勢いよく飲む。
〇〇 「ぷっは〜やっぱり生ビールは最高やな」
?? 「美味しそうに飲みますね」
隣の席の女性が話しかけてきた。
〇〇 「どうも」
?? 「すみませんが御一緒してもいいですか?私は村山美羽っていいます」
〇〇 「是非是非」
俺は村山さんと一緒にお酒を飲むことにした。
最初は知らない相手だから話が合わないとばかり思っていたが以外にも村山さんとは話が合い気づいたら俺たちは時間を忘れて話していた。
気づけば日にちは変わっていた。
村山 「もうこんな時間なんだね」
○○ 「ほんとだ」
村山 「そうだ、○○さんと行きたい場所あるからついてきてくれる?」
○○ 「分かった」
俺たちは会計を終え村山さんが行きたいと言っていたところに連れていかれた。
そこはホテル街だった。
○○ 「あの…ここって」
村山 「いいから」
村山さんは数あるホテルの中から適当に選び7すぐにチェックインを済ませ部屋に入った。
その間俺は何も言えなかった。
○○ 「村山さんまずいですよ」
村山 「私はいいよ、○○は嫌なの?」
○○ 「いやではないんですけどそもそも今日あったばかりの人ですし、それに俺は…」
村山 「初めてなの?なら私がリードしてあげる」
そう言うと村山さんは俺に深いキスをした。
○○ 「はぁ…はぁ…む、村山さん…」
村山 「美羽って呼んでほしいな」
○○ 「み…美羽」
その後のことはよく覚えていない。ただ美羽は俺を優しくリードしてくれた。
初めての思いに僕は心躍り一生忘れられないんだろう。
次の日、目が覚めるとホテルの部屋には俺一人だった。美羽はいない。
俺は服を着て財布を確認する。
財布の中にはカード以外何も入っていなかった。
最初から気づいていた。美羽から見た俺はただの一夜の遊び相手だと気づいていた。
それでも気づかなかった、いや違う、気づきたくなかったのは何か期待していたものがあったからだ。
今日仕事終わり会社の飲み会で居酒屋に行く途中美羽がほかの男をたぶらかしていたのを見てしまった。
それを見てもなんとも思わない。
なぜなら彼女と俺の関係はワンナイトの関係だったから。
~完~