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伝えたい思い 前編

「ねぇ〇〇私引っ越すことになった」
帰り道の途中幼なじみの的野美青が衝撃的な発言をした。
初めて聞いた時は訳が分からなくて頭の中が真っ白になってた。別にそうなんだくらい言って終えればよかったもののいつも仲良くしていた友達が急にいなくなる現実に俺はショックでそんな言葉すら言えなかった。
「えっ?まじ?どこに引っ越すの?」
「確か〇×県」
〇×県はここからかなり離れている。つまりもう気軽に会えなくなる。そんな事実を僕は受け止められなかった。
「そう…なんだ」
「うん再来週には転校しちゃうからさ。あと明日のホームルームで全員に言うからそれまでみんなには言わないでね」
「うん…わかった」
俺は現実を受け止められないまま曖昧な返事をしていた。

次の日の朝僕は机で溜息をつきながら窓の外を見ていた。
それを見た美青の友達の美羽が近づいてきた。
「なんか元気ないねどしたの?」
「いや…別に…何も無いよ」
俺は元気なく言った。
「嘘つけ」
美羽にはどうやら見透かされていた。
「何かあったら相談してよ。みんな〇〇の味方だよ」
「母親みたいなこと言うな」
「ごめんて笑」
美羽と話しているとチャイムがなり先生が教室に入ってきた。
「よしお前ら席に着けこれからホームルームをする前に言うことがある。的野さんこっちに来て」
「はい」
先生がそう言うと美青が黒板側に向かって行った。
「実は親の都合で再来週には転校することになりました」
美青が言った瞬間他の生徒たち全員が驚きを隠せなかった。
「〇〇、もしかして元気なかったのって」
隣の席の美羽が俺に近づいてきて小声で言った。
「うん」
「美青転こ…」
美羽がなにか言おうとした瞬間先生が机を叩いて怒鳴った。
「静かにしろ!いちいち騒ぐな」
そう言われた俺たちはすぐに席を戻した。
美青の転校のあれこれを言いその後はいつも通りのホームルームをしたが俺は話が入ってこなかった。

美青が転校する日はすぐにやってきた。美青が転校する最後の日のホームルームで最後の言葉を言い終わり帰りホームルームが終わった
「美青転校するの?そんなのやだよ」
「私もだよ美羽」
色んな人が美青に言葉をかけている中僕は美青をただ見てるだけだった。
美青を見ていると友達の土田が近づいてきた。
「〇〇はさこのままでいいの?」
「別にこれに関しては何も言えない…」
「ちげーよこのまま美青に”思い”を伝えないままお別れなんて嫌じゃないのか?」
「…」
前々から気づいてた。俺は美青が好きだった。でももし失恋して美青との関係が終わったらどうしようなんて考えていて僕は美青への思いを封じこんでいた。でも今日で美青と会えるのはこれで最後かもしれないそんなこと俺は絶対やだ。
もしもこれで美青との関係が終わるかもしれないでも俺はこのままお別れは嫌だから。
「決めたよ土田、俺今日思いを伝えるよ」
「よく言ったそれでこそ漢だ」
後半へ続く


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