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とりあえず、書く

書くことは難しい。
書くことは簡単。

どちらもあると思うけど、今の私には「難しい」。

最近、昔の自分にヒントがある気がして。
昔の自分のほうが発想がもっと自由だった気がするから。

思春期時代に、日記をつけ、分厚いその日記帳をやっとの思いで使い切ったこと思い出した。
実家にはとても置いておけない黒歴史書なので、一緒に引っ越してきてずっと置きっぱなしになっていた。

引っ張り出して、何十年かぶり読み返してみる。

なかなかに恥ずかしい。
なかなかに能天気。
なかなかにメンヘラっている。

でも。
今の自分に通じるところもあり、やはり私だな、などと思う。

そのなかに詩人の茨木のり子さんの詩の一説が書いてあった。
それに関して触れてはなかったけれど。

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
……

茨木のり子「自分の感受性くらい」より引用

はっとさせられた。
やるな、思春期の私。こういうところ、こう言った文章に魅せられるのは変わっていない。
そもそも、こちらの詩がすばらしいのは間違いないけれど。

思春期の私にも刺さった詩。
中年の私にも刺さった。
そして、中年の今のほうが、グサッと刺さる。
深さが違う。背筋が伸びた。

まさにしなやかさを失いがちな時期だから。
そんな年齢に差し掛かっているから。
気を付けていなければすぐにぱさぱさになって、大事なことを見失ってしまう。
自分を見失ってしまう。
今はこんな時代だから、なおのこと。
自分を見張って律していなければ、簡単に人ならざる者になりえない。

改めて、彼女の詩集を購入して読んでみよう。

そして。
とりあえず、書こう。


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