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week diary 2024.11.15〜21

11.15.金 雨のち曇り
 お米が高騰して以来元に戻らないので母の実家に帰省した。母の運転で車を走らせて二時間ほど、山々に挟まれた波佐見に到着する。昔は酔って気持ち悪くて仕方がなかったのに今は全然平気。いつもスーパーでお寿司を買っていくので今日も寄ってから行こうとすると、駐車できないくらいたくさんの車が停まっていた。こんな田舎でこの車の量、緊急事態だ。空きスペースを巡って駐車場を一周すると、スーパーの裏にあるフィットネスクラブの移動車両に気が付いた。それがものすごい長蛇の列。長崎市内でもなかなか見ないくらいの列だった。みんな健康が気になるのかもしれない。「お寿司売り切れてるかも」と焦ったものの、スーパーの中はそこそこ人がいるくらいで普通に残っていた。やはり駐車場の車の持ち主たちはフィットネスクラブに吸い込まれていたようだ。お米は三十キロ貰って帰宅。大根くらいの大きさのサツマイモもいただく。サツマイモは一ヶ月寝かせなさい、とわざわざ祖母が電話をくれた。
 夜9時、「米が無くなったら連絡するのよ!(搗かないといけない)」と母に送り出してもらって寓居に帰る。母も祖母も、気づいたら自分以外のことを考えているのがよく似ている。人はそれを愛と呼ぶのだ。

11.16.土 雨の予報だった
 いつまでも眠くて眠くて十三時に起きる。身体が怠い、気分がズンッと落ちた。インスタントのカボチャスープを食べて出勤するも、途中でふらふらして自販機のコーンスープを買ってしまった。自販機は買わないことにしていたのに。お腹が空いてる訳でもないし、食欲があるわけでもないのに、食べないと力が入らない。眩暈がする。難儀だ。
 深夜に帰ってきてから手帳を開く。体調記録用の手帳に朝、昼、夜に食べたもの、気温や体温と体調ログを書いて、今度は家計簿に今日の支出を記録。二つとも生活に欠かせない。あとは三年連用日記に一言だけ記述して終わり。他にも今日の体調に合わせて何を食べるのか考えたりタスクを記録したりするデイリーログ用の手帳、心の平穏を保つために不満や不安なことを書き殴る用の情念ノート、読書記録用に新潮文庫から出た「ほんのきろく」、夢を記録する夢日記があったりする。

百均で見つけたゲゲゲの鬼太郎マステ

閑話休題 喫茶店
 喫茶店巡りが好きです、と自己紹介欄に書きたくなるくらい喫茶店が好きなのであるが、巡るほどには飛び込まないし、同じ所に何度も通うのだからどうにも「巡っています」という感じではない。「喫茶店に通うことが好きです」というのが正解だろう。
 私がよく通うのはマーチンカフェという新大工町の隙間にある喫茶店だ。店名にカフェ、とあるから喫茶店ではないのかもしれないけれど、私はカフェと喫茶店の区別があまりついてない。初めて知人と飛び込んだ時、店を回していた男性に「京極夏彦が好きなんですか、ぼくも好きなんですよ」と話しかけていただいたのが印象深い。あれ以来、京極夏彦どころか世間話ひとつもまともにしていないが、本屋の帰りに寄っては珈琲とデザートをいただいて帰っている。店内にでかでかと飾られたリヴァーのポスター、聞き馴染んだ邦楽、お洒落で凝ったデザインの器。同じ珈琲を注文してもそのたびに違う器が出てくるので、注文するたびに「今日はどんな器なんだろう」と楽しみにしている。
 これだけ珈琲好きを豪語しながら珈琲の味の違いはてんで分からない。自販機の缶コーヒーが一番うまいと思っているほどだ。味が分からなくてすみません、とにかくおいしいです、これは深煎りなのですか、あ、違うんですねと心の中はいつもこう。
 いつか珈琲の機微が分かるような人間になりたい。

いつの日かのマーチンカフェにて

11.17.日 曇り 昨日より寒くてビビる
 のんべんだらりと帰宅。明日は印刷所から『メロンソーダとぼく』が到着予定。明日のスケジュールを考えながら小鍋に水を張って、大豆とちくわとちゃんぽん麺をぶち込む。沸騰したらちゃんぽんスープを入れて終わり。これがほんとのちゃんぽんだぜ! と思いながら食べていたけどちゃんぽんするほどの具材がないのにそれは違ったかもしれないと今思う。

11.18.月 晴れ、また急に冷たい
 昼過ぎに起きてスーパーまで歩く。途中で母と合流してそのまま実家に。コーヒーにスーパーカップを入れてコーヒーフロートを作ろうと思ってたのにいつの間にか忘れていた。母の車で実家から寓居に帰ってくると絵展のLINEに通知が入る。長崎新聞社が文芸作品の公募をしているのだと吉峯さんが教えてくれていた。BLOOMの原稿も終わったことだし、などと思って「検討します」と返信しながら早速執筆に取り掛かる。また締切に追われている。
 母から別れ際に「明日からは暑くても上着を持っていきなさいよ!」と言ってもらったのが脳みそに張り付いて剥がれない。

11.19.火 晴れ、もう冬
 なにごともなく。スーパーで人参、玉葱、馬鈴薯を買って肉じゃがを作った。気分が晴れないのでノートに書き殴って、機嫌が悪い人は放っておけばよいと気づいた。他人の課題に私が気を揉む必要はないのだ! ただやっぱりこちらも人の心がある人間なので、多少変調をきたす。転職しなければなぁと思う。文化的活動を仕事にできればと思うけれど。

11.20.水 晴れ、マフラーを装着
 仕事でミス。やっぱり身体に不具合があるときは何かしらミスるよなぁ。家のこと、家族のこと、一人のこと、活動のこと、何かをずっと考えている。不安を紛らわせるために忙しくしている節もある。
 今日はやる気がないので白米にのりたまふりかけと納豆、具のない味噌汁で夜ご飯は終わり。けれどのりたまと納豆の相性はバツグンなのだ。納豆、のりたま、白米、3点セットじゃなくちゃ満足できないくらいでもある。
 明日はBLOOMの搬入へ。久しぶりにmakijakuさんとお会いする。どんな話をしよう。

11.21.木 晴れ、厚着して出たら普通に暑かった
 搬入、絵展、公募、いろいろ予定を詰めすぎているのは良いのだけど、昨日から心がガタガタしだしているのでそのうち鬱モードに突入する予感がある。何も出来なくなる前に終わらせなければ。
 BLOOMの搬入に一番乗り(ン時間前から現地にいたのでそれはそう)で久しぶりにmakijakuさんにお会いする。はじっこの寺田さんとは初めましてだった。たくさんの方の作品のサンプルを拝見してやる気に満ち満ちている。もっと凝ったデザインにするべきだった、とかもう少し原価を抑えたかった、とか悔やむところは次回に持ち越しで。makijakuさんとはじっこさんの生み出したこの奇跡に感謝しつつ、会期中に一冊ずつくらいはお迎えいただけたらなぁという思い。
 何も買うつもりはなかったのに結局『躁鬱大学』(坂口恭平)を手に取っていた。私も気分の浮き沈みは激しい。こうやってZINEの活動に触れているとやる気ばっかりで眠気も吹き飛ぶし締切前は実際にあんまり寝てないけど、一旦暇になったら一気に気分が落ち込む。仕事で失敗しても落ち込む。こんな自分は死んだ方がいい! とまで思う。でも「死んだ方がいい!」というのは躁鬱人が鬱になった時のテンプレートみたいなものであるらしく、それを読んでなんだか少し肩が軽くなった。
 搬入のあと、ameriaさんがこれから演劇のお稽古だと言うので無理を言って見学でお邪魔させていただいた。本番前の緊張感とクオリティの高い仕上がりに胸が高鳴る。私は創作者じゃなくて表現者になりたいのかもしれないとふつふつと思う。

BLOOM会期中のアナログTwitter的なノート

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