好きな色
考えてみれば小さい時から服の色とか身の回りの配色とかすごく気にするタイプだった。
ここ1年間、いつにも増して自分で自分の機嫌を取ることが増えた。生きる目的であるアイドルに会いにいく生活をすっかり奪われ、ぽっかり空いたスカスカの心を自分の力で埋める。
元からインドアなのにさらに家にいることが増え、家にあるいろんなものが目に着くようになった。服、家具、食器、メイク道具、布団、カーテン、入浴剤。安さや便利さで使っていたものを自分の好きなデザイン、自分の機嫌が取れるものにしようと思うようになった。例えば、歯磨き用のコップの色、枕カバーの柄、ハンドクリームの香りとデザイン、部屋に飾る花、スリッパのデザイン。
小さなことだけどこれをしたおかげで最近はとても調子が良い。こうやって自分のことズカズカと文章にしようと思うくらいには元気だ。
調子が良いと周りを見れるようになる。そして私の機嫌を取るものは全て鮮やかな黄色だと気づいた。私は黄色が好きなんだと思う。
黄色と初めて出会ったのは、小学1年生の時のピアノの発表会で着たドレスだったと思う。その頃の私は水色が好きで水色のドレスが着たかったけれど、友人が着ると聞いて気の弱い私はあっさり他の色のドレスを選ぶことになった。自分で決めたのは覚えている、だけど何故、淡いイエローのドレスを選んだのかはわからない。きっと直感だったんだろう。
そして、上京のため最後となった発表会も黄色のドレスを着た。原点回帰。ここから始まりここで終わるという意思表示だったのかもしれない。この時は絶対に黄色のドレスを着ると最初から決めていた。大切な色を着よう、と。
トロトロのオムライス、固めのプリン。11月の眩しい銀杏並木。
黄色は私を幸せにしてくれる色だ。理由はわからないけど、とってもホカホカする。"お日様の香り"に近いのかも。暖かくて眩しくてキラキラして安心する色。