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【連載小説】アヘアヘキングダム 3rd Season Story 54

<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
コ:ネーソーさん(´雪ω雪`)
ネ:ん?(´◉◞⊖◟◉`)
コ:コーヒー淹れたよ。

サンキュ(´◉◞⊖◟◉`)つ☕⊂(´雪ω雪`)ハイ

コ:コミケ前に、負担かけちゃってごめんね。
ネ:・・・コユキ。その言い方はアカンぞって、何ベンも言ってんだろ?
コ:あ・・・ごめんw 私のために、大事な時間を割いてくれてありがとね。
ネ:よろしい(´◉◞⊖◟◉`)b
コ:で、コミケの作品の方はどう?
ネ:ま、何とかなっかな~って感じ。俺っち天才だかんな(´≖◞౪◟`≖✧)
コ:うん。知ってるw
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)ニャハハ ・・・あと30分したら出るから、準備しとけよ。
コ:(´雪ω雪ゞ リョウカイ!!
ネ:お、気合入ってんじゃねーか。もっとビビり倒してるかと思ったわw
コ:ううん。ビビってる。でも、もうあきらめてるw ここまで皆さんに協力してもらったんだから。私も覚悟決めました。
ネ:ま、俺っちがいるから心配すんな(´◉◞⊖◟◉`)b
コ:(´雪ω雪`)b じゃ、着替えてくるね!
ネ:おう!!ビシッとおめかししてこい!!



【Neesou's Case   ネーソーの場合】
コーヒーを渡してくる時の手が、小刻みに震えてるのがハッキリわかった。

ま、そーだよな。
そりゃ怖いよな。

(´◉◞⊖◟◉`)・・・

先週は、ひたすら楽しいイベントだった。コユキも、俺っちと出会ってから、一番笑ってたんじゃねーかな。ウチに来て最初の頃は、無理して笑顔作ってんのかな?って時もケッコーあったけど。なんつーか、屈託のない笑顔っつーか。心から楽しんでいるのが分かった。

ただ、人生楽しいだけじゃやってけねーんだよな。ここは頑張りどころ。乗り越えないといけねーんだ!って時がある。「人生のターニングポイント」って言葉があるが、あんなんは結果論だ。後から振り返って、あそこが分岐点だったのね~って思うだけで。その場そん時は、これがターニングポイントだとか、考える余裕なんてねーんだよ。ただただ必死に、がむしゃらに、テメーの目の前に立つものに、ぶつかっていくしかねーんだ。

今のコユキは、きっとそれを分かってる。だから、メチャメチャ怖くても、震えていても、ハルトくんと会う覚悟を決めた。俺っちも、自分が出来ることをする。コユキが倒れそうになったら支える。最後まで見守る。

コユキがハルトくんに触れずに生きていく。今この時の気持ちだけ考えりゃ、その方が心のダメージは小さいかも知れない。でも、どうしたってハルトくんのことは忘れらんねーだろう。あの時の痛みを鮮明に思い出すことだって何回もあるだろう。ここで乗り越えられなきゃ、コユキは一生苦しみを抱えたまま、生きていくことになっちまう。

ハルトくんと会うこと。会って話をすること。ダメージ0で済むわけがない。そりゃそーだわ。ハルトくんのことを思うだけで、アイツの心には毎回激痛が走るんだ。

きっとコユキは、不幸を全て自分のせいにしてきたんだろう。自分がああいうことを引き起こしてしまったからいけないんだ。ミライを救えず、ハルトくんに深い傷を負わせた。そんな私は、不幸になっても仕方ない。ツラくても受け入れるしかないんだ。

こんな自分なんて、いない方が良い。最終的にたどり着くのはここだ。アカン。それだけはアカン。そんなの誰も望んでない。ハルトくんも、天国にいるミライも、俺らも。そしてもちろん、コユキの心の奥底も、本当はそんなこと望んでねーんだ。だから、コユキは今一歩踏み出そうとしてるんだ。

俺っちは、コユキを支える。コユキを見守る。最後まで。


【Koyuki's Case   コユキの場合】
さっきネーソーさんにコーヒーを渡すとき、必死に手の震えを隠したけど、多分見抜かれてたな。弱いな私・・・

もう1時間もしたら、本当にハルトと会うのか・・・

ネーソーさんには「覚悟を決めた」って言った。その言葉に嘘はないけど、正直怖くてたまらない。心のコップの中の水が、揺れ動いているのが分かる。油断したら、きっとすぐに溢れちゃう。ネーソーさんに出会う前の私だったら、とっくに溢れてたはずだ。

(´雪ω雪`)・・・

ネーソーさんと過ごしてきたこの数カ月で、私ははっきり変わった。生きたい。まだまだ生きていたい。生きて、誰かの役に立ちたい。今の私は、ネーソーさんと仲間の皆さんに与えられた命で生きている。

生きよう。

これから先も多分いっぱい泣いちゃうけど、弱虫のままかも知れないけど、誰かに支えてもらわないと立っていられない時もあるだろうけど、それでも、私は生きる。

ミライ。ママ、予定変更した。しばらくそっちには行けそうにない。ママ、こっちでやりたいことが出来たんだ。寂しい思いさせてごめんね。でも、ミライはいい子だから、きっと分かってくれるって、ママは自分勝手に思ってるよ。

ママはいつも、ミライのことを思ってるよ。いつか必ず会えるよね。その時を楽しみにしていてね。ミライに会いに行く時には、楽しいおみやげ話、いっぱい持っていくからね。

・・・よし。

着替えよう!


<Dialog Haruto and Misaki on the phone ハルトとミサキの会話 電話にて>
美:(お、ハルト君)はーい(美´∀`咲)
ハ:美人女医さんこんにちは。
美:よろしい(美´∀`咲)
ハ:こちらは、そろそろ出ます。
美:うん。
ハ:予定変更なしで大丈夫ですか。
美:大丈夫。今から支度するわ。駅着いたら電話するね。
ハ:はい。よろしくお願いします。


【Dr.Misaki's Case   ミサキの場合】
ふぅ。気が付けばこんな時間か。

残りは帰ってきてから片付けよう。


・・・・・・

「ハルトくんの条件、蹴ったらしいわね笑」
「いや蹴ってないっすよw 俺っちだって、元々立ち会うつもりでしたし」
「悪いけど、私はハルトくんと一緒に行くわよ。責任があるからね」
「もちろんすよ。いざという時、先生にいてもらわねーとヤバイっすもん」
「話すときは2人でって部分が、譲れないのね」
「はい。先生も俺っちも邪魔ですから」
「ハッキリ言うわね笑」

ハルトくんの出した条件は、ネーソー君と私もその場に立ち会って、4人で会って話をすること。2人きりというのは、自分もキツいけど、きっとコユキは耐えられない。その気持ちは、私も理解できた。今のコユキちゃんの精神的な支柱は間違いなくネーソー君だし、いざという時のために、医師である私がそばについている必要がある。

でも、ネーソー君の言う通りだ。実際に話をする時、私たちは明らかに邪魔になる。2人にとっては、多少の安心感はあるかも知れない。でも、2人は安心感を得るために会う訳じゃない。痛みを伴っても、向き合って、未来に向かって歩き出すために会うんだ。

私たちがいたら、そこが足枷になって、2人が本音で話せない可能性が高い。全員黙ってしまって、ネーソー君や私が途中で耐えられなくなって喋り出して・・・なんてなったら最悪だ。

「ハルトくんや先生の気持ちも分からんことはねーすけど、これって、2人の問題じゃないすか。どんだけキツくても、コユキとハルトくんがサシで向かい会わないと、会う意味がねーと思うんすよ(´◉◞⊖◟◉`)」


私はそこまで考えられていなかった。やっぱりネーソー君は頼りになる。、こういう時、知識だとかステータスなんて役立たずよね。

「もちろん何かあったらマズいんで、先生と俺っちは近くにいて、いざという時すぐに駆け付けられるようにしときましょう。でも、話をするのは、コユキとハルトくんだけで。どんな形に収まるかは分かんねーすけど、どんな結論であれ、2人で決着をつけることが、俺っちは大事だと思ってます」

ネーソー君のお説教が心に響く。この辺は、ショウコさんの血がなせる業、なんていったら、ネーソー君は怒るかな笑

(´美ω咲`)・・・

医師として。ハルトくん・コユキちゃん・ミライ君に関わったものとして。私は、私の責任を果たす。

さ、支度しないと。



【Haruto's Case   ハルトの場合】

・・・・・・

「ごめん・・・・・・ごめんハルト・・・・゚(゚⊃ω⊂゚)゚」
「・・・・・・・・・・・・」
「わたし・・・とり・・・・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・・・・・・・とりがえs・・・・・・つかない・・・・゚(゚⊃ω⊂゚)゚」
「・・・・・・・・・・・・」
「ごめん・・・(゚⊃ω⊂゚)゚」

ショックで何も言えなかったって思いこんでんだろ。違うぞ。
お前は、自分の意思で何も「言わなかった」んだよ。

なんで、声を掛けなかった。何でも良かったんだ。最悪、意味が分からないことばでも良かったんだ。声を掛けるだけでも、全然違ったはずだ。なんで、コユキに声を掛けなかった。

いや、声を掛けられないなら、黙ってコユキを抱きしめれば良かったんだ。肩を抱いたり、背中をさすったり、出来たはずだ。

コユキの方が、まともに話せない状態だったんだ。それでも、コユキは・・・号泣して、過呼吸のような状態になっても、お前に必死に謝ってたじゃないか。その時お前は何してた?ただ黙って突っ立って、コユキを追い込んでいただけじゃないか!

コユキは、どれだけお前のことを支えてくれてたか、分かってんのか!おまえ、バカじゃないのか!最低だ!ホントにバカだ!


ハァ・・・・・・

チッ・・・クッソ・・・・・・


いや、今日だけは自分を責めるのはやめよう。そんなことしても、世界は変わらない。コユキを苦しめるだけだ。泣いても喚いても、過去は変えられない。

コユキのために、僕は自分が出来ることをする。

ネーソーさんやミサキ先生。消え去ろうとしたコユキを救って、支えてくれた人たちがいる。コユキを救ってくれたことは、イコール僕を救ってくれたことでもある。不貞腐れたような態度を取った僕を、彼らは一切責めることなく、むしろ心に寄り添ってくれようとした。

きっと、そんな彼らをみて、コユキも生きる意思が湧いたんだろう。じゃなきゃ、コユキが僕に会うことを受け入れるわけがない。

僕だけが、あの部屋から一歩も動けずにいた。

いい加減にしろ。目を覚ませ。

大丈夫。目は覚めた。

出来ることを、精一杯やる。



ミライ、きっとパパに失望したよね。ママのこと、心配かけてごめんね。情けないパパでごめんね。今さらって思うかもしれないけど、パパ頑張るから。ママのこと、見守っていてください。


行ってきます。



<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
ネ:コユキーそろそろ出んぞー(´◉◞⊖◟◉`)
コ:はーい!準備万端です(´雪ω雪`)b
ネ:・・・良い顔してんじゃねーのw
コ:ネーソーさんもねw
ネ:そりゃスーパーイケメンだからな(´◉◞⊖◟◉`)ニャハハ
コ:(* ´艸`)フフ
ネ:おっし。じゃあ行くか。
コ:(´雪ω雪`) ハイッ!!



<Story 55  Preview   次回予告>
コユキとハルトの物語 中編
Coming Soon・・・m9(´めωめ`)
※モデルこそいますが、あくまでもフィクションです。
※ちょっとよぎったんですが、さすがに純次は出せませんでした。
※次回更新は11/13(土)の20:00です。

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