【音楽】2024年のマイベストを考えてみた。【マーメイドはひとりで躍るvol.23】
【2025.01/06 追記】
どうも、ごきげんよう。マーメイド侍です。
EIGHT-JAM=旧・関ジャムという番組の
年末恒例企画、
「音楽家が選ぶ年間ベスト10」が好きすぎて、
いつか自分でも、
その年のベストを記録してみたいなと
思っていました。
今月のコラムはこれで許してください。
ていうか、
この中から実際に
EIGHT-JAMで紹介される曲が
あると信じています。
目標は3曲以上。
おらおら、かかってこいよ、
蔦屋好位置・いしわたり淳治。
※基本的に女性ボーカルが好きなので、
割合多くなってます。
あとアイドルソングも好きなので、
偏りがあります。何卒ご了承を。
【2024マイベスト】
【プレイリストにしたヨ】
それでは、一曲ずつ見ていきます。
・澤田空海理『お寝み』(2024.06/12)
澤田空海理が幼稚園からの親友に宛てた
ウエディングソング。
MVでは、
実際の式の様子が
つまびやかに映されている。
ありったけの優しさに包まれながら
聴き進めると、
2番途中で突如、女性の歌声が。
そう、これが親友へのサプライズ。
花嫁が.featで参加し、
ボーカル・コーラスだけでなく、
楽曲制作にも協力してもらったという。
倖せに満ち満ちている花嫁の歌声と、
澤田の紡ぐ優しく確からしい一語一語に
感情が揺れる揺れる。
聞きそびれたことを
ゆっくり、少しずつでいいから、
互いにおさらいできるか。
それが、本当に濃い人間関係になれるかの
ターニングポイントだよなと
再認識させてもらいました。
・乃紫『全方向美少女』(2024.01/05)
まあ、2024年の音楽を語る上で
外してはならないのが乃紫ですよね。
彼女が醸し出すセンスやオーラには、
「絶対かつ圧倒的な自信」が
感じられて、良い意味で、
若気が至りまくってるなあ、
尖りまくってるなあって思いながら、
楽しませてもらってます。
ライブもよかった。
本当は『ヘントウタイ』や
『接吻の手引き』を挙げたいところだけど、
いずれも2023年リリースのため除外。
まずはこの2曲を味わってほしい。
んで、全方向美少女をチョイス。
この曲に限らずだけど、
乃紫の作品って、ただキャッチーだから
流行ってるだけじゃないと思っていて、
細部にキラリと光るセンスが宿ってる。
ちなみに乃紫曰く、
この曲のバズりは狙い通りらしい。
恐ろしいビッグマウス。
大学の後輩として誇らしいよ。
そのまま、どこまでも踊ってくれ。
・名誉伝説『シャバイライ』(2024.06/12)
「見つけた!」感でいうと、
今期いちばんかもしれない。
イントロからメロディー展開、
リリックまで個性満点の5ピースバンドの魔曲。
大好きな恋人への
嘆き、つらみをテーマにした同作は、
ボーカル・こたにの
どこかボーイッシュでクセのある歌声と
可愛らしさ溢れるリリック、
新鮮なサウンドに
アタマカラダココロ、
すべて奮いだすこと間違いなし。
特にCメロのこの部分、痺れたね。
タイトルの『シャバイライ』は、
江戸時代、通人仲間で用いられた
あいさつことば=娑婆以来で、
「久しぶり」という意味らしい。
ちなみにこのバンド、他の曲もスゴイ。
恋人への未練タラタラな様子を唄った
『feat.あなた』では、
など、パワーフレーズを連発。
恋人どうしの喧嘩と
テレビのバラエティー番組を重ねた
『今晩の喧嘩』や、
デビュー曲『ラヴィング』も
抑えておいて損はない。
・清野研太朗『ARIA』(2024.03/20)
最近、もっとも衝撃が走ったのがコレ。
漫才で言うと、
「つかみ」でぎゅっと心を鷲掴みにして、
オチまで飽きることなく
笑いの波がやってくる感じ。
伝わるかわからないけど、
一日中テーマパークにいて、
ジェットコースターや
メリーゴーランド、バイキングなど、
ひたすらアトラクションを
楽しんだ時の気持ちを、
たった3分で味わえる壮大さがある。
ちなみに、
代表曲『ビャクレンのうた』も素晴らしい。
・FINLANDS『ナイトシンク』(2024/07/10)
もともとFINLANDSは『さよならプロペラ』が
本当にぶっ刺さってて、
自分の中のターニングポイントでは、
必ずお供する相棒のひとりなんだけど、
同作ではひさびさに、
そのエッセンスが感じられる気がした。
この世界の主人公は、
自分一人じゃなきゃ嫌で、
全てが自分中心に動いてないと許せないって、
心の底から思ってる「わがままガール」の
おねだりソングを作らせたら、
塩入冬湖の右に出る者はいない。
ちなみに、メジャーデビューEPの
『新迷宮』もいい。
・eill『革命前夜』(2024.10/09)
eillの魅力を語り始めたら、
それだけでこのコラムが終わってしまうので
泣く泣く割愛しますが、
今期のeillもスゴかった。
自分なんか何者でもないって
思ってる人にこそ、
何か光り輝くものがあるんだって、
優しく寄り添いながら気づかせてくれる。
月9ドラマ「謎解きレトリック」の
主題歌に起用された同作も、
そんなeillらしさ全開の絶品でした。
どんな自分でも、まるっと愛してあげちゃおう。
・=LOVE『誰にもバレずに』(2024.03/06)
アイドルになりたいけど、
なれなかった子たちの
誰にも明かすことのできない
真っ黒い気持ちを、
実在するアイドル、
=LOVEが代弁する革命的ソング。
華々しく光るスポットライトに恋焦がれて、
鏡の前で踊ってみたり、
メイクを研究してみたり、
みんながマックに行く中で、
それを我慢して、
チューインガムで空腹を紛らわせたりして、
自分と向き合い続けたとしても、
輝かしいステージに立てるのは、ほんの一握り。
その資格を
与えられなかった者たちは、
きょうもそれぞれの場所で、
薄暗い街灯にぼーっと照らされている訳で。
叶わない夢を必死で追い続けるあまり、
その夢を叶えた者たちへの
恨みや嫉妬、対抗意識を
捨て切ることができない
アイドル指名漏れ戦士たちの
自問自答を、
殴り書きしたような作品だと思う。
推しの子と、
主題歌YOASOBI『アイドル』のヒット以降、
どんどんアイドルの
裏側やタブーに切り込んでいく
風潮が出てきている気がするけど、
個人的には同作のような、
アイドルが歌う「自問自答ソング」の力には、
看過できないものがあると思う。
・≠ME『夏が来たから』(2024.08/28)
アイドルにおける
サマーソングの可能性を広げてくれた傑作。
太陽ギンギン!
みんなでお祭り!
アップテンポ!の明るさだけが、
少女たちの夏を表す要素じゃない。
夏特有のじめじめさを感じさせる
低音サビが耳にこびりつく。
・FRUITS ZIPPER『フルーツバスケット』(2024.09/18)
・FRUITS ZIPPER『BABY I LOVED』(2024.04/10)
ニッポン・アイドル最前線を突っ走る
FRUITS ZIPPERから2曲。
フルーツバスケットは、Bメロが良すぎる。
TikTokやshortsで
パフェの部分のダンスがバズってるけど、
たしかにここがサビなんじゃないか?
ってくらい心躍るメロディー。
2番途中、仲川瑠夏にしかできない
節まわしにも注目。
一転、BABY I LOVEDは、
一般的な女の子の失恋経験を
憧れの的・アイドルが
背伸びの逆の
「背縮み」して歌ってくれてる感覚。
イコラブの『誰にもバレずに』でも触れたけど、
アイドルが歌う「自問自答ソング」には、
計り知れないメッセージ性があると思う。
・omeme tenten『favorite jinx』(2024.04/24)
まず、題材がピンズド。
何か良いことが起きる時でも、
良くないことが起きる時でも、
なんだか、
ジンクスみたいなものがある気がして…。
そんな運命論チックなものを
信じている節がある人には、
ぜひ聴いてほしい。
緑黄色社会・長屋晴子を彷彿とさせる
ボーカル・灯の
圧倒的パフォーマンス力にも要注目。
ちなみに、omeme tentenは
『Now & Then』や『クリーミー呪って』も
おすすめです。
・パスピエ『避雷針』(2024.05/22)
ボーカル・大胡田なつきの
儚くも力強い歌声と
パスピエらしいエレクトリカルな世界観の
絶妙マッチング。
Aメロからずっと、
ドラムを追ってるだけでも楽しいし、
リリックも素敵なんだよね。
「がんばれ」とか「負けるな」って
直接的な励ましはなくとも、
聴いた後は、
なんだか力が湧き出てくるような
不思議な応援歌だと思ってる。
ちなみにこの曲は、
「霜降り明星のだましうち」という
ラジオで知りました。
だましうちの選曲はいいぞ。
・Laura day romance『Amber blue』(2024.11/06)
Laura day romance
=ローラズを知ったのは、
確かことしの初めくらいで、
feverやsad number、
夜のジェットコースターが
もうぶっ刺さって、
一時期は、狂ってここらへんばかり聴いてた。
新曲も出るたびにチェックしてはいたんだけど、
当時と比べて、
だいぶ音楽性が変わっているなあと思って、
個人的には、前のローラズが拭いきれずにいた。
それでも、ライブ行ったりして、
徐々に今のローラズの良さも
沁みるようになってきたな、って
タイミングで同作がリリース。
ボーカル・井上花月の
歌声はさることながら、
トゥルルとか、ラララとか、Ah〜とか、
随所に散りばめられたハミングにこそ、
この曲の良さが詰まってると思う。
ちなみに、MVは結構怖いので閲覧注意。
・YOASOBI
『モノトーン』(2024.10/01)
・Mrs. GREEN APPLE
『ライラック』(2024.04/12)
この企画をやるにあたって、
普段はなかなか聴かないヒットチャートも
抑えとかないとな、と思い、
ざっと聴いたんだけど、この2つはスゴイわ。
モノトーンは、
特にラスサビに向けての展開がエグい。
YOASOBIらしい
電子的で機械的かつ雄大なサウンドと
ボーカル・ikuraの感情剝き出しの歌声が
まさに、シンデレラフィット。
エレクトリカル×エモーショナルって、
一見正反対に思えるんだけど、
それを違和感なく、交わらせてるのって、
実はメチャクチャ難しいことだと思う。
ライラックはもう、
モリモリマシマシの
カレーハンバーグラーメンみたいな曲。
キャッチーなイントロから
大森元貴おなじみの
たっぷりライム踏んで、
聴き心地満点のリリック、
やりすぎなくらい、好き勝手で
自由奔放なサウンド展開。
そんなものはないけど、
大森元貴ワンダーランドに
身を預けたような感覚に陥ってしまう。
きっと、時代が時代なら
大森元貴を崇拝する人が
後を絶たなくて、
大森教みたいなものが
国の宗教になってたんだろうなとすら、
思えてしまう。
ことしのレコ大は、
この曲なんじゃないかと思っている。
・突発的犯行『葱』(2024.05/15)
・突発的犯行『ステラ』(2024.10/20)
神奈川発のピアノロックバンド。
現在は、key.Voの笹和田美玲と
Dr.Choきょうこのツーピース体制。
笹和田の織り成す独特な空気感が持ち味。
『葱』は、
か弱くも芯の通った歌声と
弾けるピアノ、
手数で魅せるドラミングの三重奏が
私たちをまだ知らない世界へと
ナビゲートしてくれる。
こんなの聴いたことない。
ってか普通、ネギで一曲作ろうと思うかね?
センスが果てしない。
一転、『ステラ』は、
ピアノロックバンドの名に違わない
ピアノの存在感と
気怠さの中に確かなメッセージ性を込めた
笹和田のボーカルががっちり噛み合ってる。
どちらも聴き応え満点だ。
・kZm『TRAUMA』(feat.ralph)(2024.08/14)
正直曲調が好みかって言われると
そうでもないんだけど、
ralphのバースがエッグイ。
なんと言っても出だしのココ、
耳心地が良すぎる。
ほかにも、
などなど、パンチラインの応酬。
ぜひ喰らってみて。
・ano『YOU&愛Heaven』(2024.01/01)
恥ずかしながら、最近まで
あのちゃんの音楽は食わず嫌いしていました。
「なんかテレビもたくさん露出して
人気もあるけどさ、
結局、大したことないんでしょ」とか、
勝手に決めつけてました。
失敬。自分が浅はかでした。申し訳ない。
この曲聴いた時、
「音楽なんかじゃ人は救えない」って、
嘲笑う世間の声に対し、
あのちゃんが一人で
ミドルフィンガー突き付けるような
風景が思い浮かんだ。
何回も繰り返し聴くんじゃなくて、
本当に辛いときに浸れるように、
心の隙間にしまっておきたい
とっておきの発奮歌。
・粗品『サルバドールサーガ』(2024.04/17)
真っ直ぐ芯食ってる感じが
清々しくて結構救われた。
「生きてるだけで偉い」を
ロックンロールに
うまく落とし込めてる気がする。
【2025.01/06追記】
冷静に考えた結果、この3曲も追加させてください。
本家「EIGHT-JAM」は1月12日オンエア。
お見逃しのないよう。
・リーガルリリー『ムーンライトリバース』(2024.08/07)
・リーガルリリー『キラキラの灰』(2024.05/08)
・あいみょん『会いに行くのに』(2024.05/22)
【番外編】
2024年リリースじゃなかったけど、
ことし初めて聴いて
ぶっ刺さったやつも並べておきます。
・澤田空海理『ケーキの残骸』(2023.10/04)
本当はこの曲をマイベストで紹介したくて、
このコラムを書き始めました。
MV含め、楽曲の魅せ方では
断トツの今期No.1。
聴いたことない発声と
展開、歌詞のオリジナリティ、
MVのキャスティング。
兎にも角にも浴びてみてほしい。
時間帯は深夜であればあるほどいい。
・東京初期衝動『はないちもんめ』(2023.10/25)
電撃走る衝撃のイントロ。
ぜひ、あなたが持っている
最高級のイヤホンorヘッドホンでご賞味あれ。
題材は死ぬほどメンヘラ曲なので、
共感とかはできなかった。
・veno『ミッドナイト魯肉飯』(2023.12/08)
キャッチーすぎるサムネとタイトルで
一見、イロモノに見られがちなんだけど、
実はしっかり失恋ソング。
音源おしゃれ、
リリックリズミカル、
歌い手も上手で、
魯肉飯の豚肉じゃないけど、
味がぎゅっと詰まってる作品だと思う。
veno自身もこんなことをつぶやいている。
ちなみに、
サマーチューン『ときめかないで』もいい。
・yutori『会いたくなって、飛んだバイト』(2023.08/16)
・yutori『君と癖』(2021.08/15)
ボーカル・佐藤古都子の
カリスマ性に導かれし
東京発・平均年齢21歳の4人組バンド。
主に作詞・作曲を担う
ドラムス・浦山蓮の
才能の豊かさも見逃せない。
yutoriは、確か夏前くらいに知って、
この2曲は今でも余裕で
プレイリスト入りのロングヒット。
これからの日本を背負って立つ逸材。
来年は必ずライブに行くよ。
・KID FRESINO『rose』(2023.08/20)
この曲は正直リリックの意味とか
全然わかんなくて、
なんか良くわかんないけどすごいとしか
表現ができない。
英詞から突然日本語詞に入れ替わる
タイミングを聴き逃さないで。
ちなみに、フレシノと小松菜奈が
共演するMVも、
なんかいいので、ぜひ見てみて。
・尾崎リノ『部屋と地球儀』(2018.10/10)
結構昔の曲だったんですね。出逢えてなかった。
我愛你やおどるひかりなどで知られる
Cody・Lee (李)のメンバーとしても
活動していた(2020.1-2023.8)
尾崎リノの代表作。
ざっくりいうと、
女性版MOROHAみたいな感じ。
あなたの2024年のマイベストも
ぜひ聞かせてください。
文・マーメイド侍