sena

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最近の記事

straw

アイスティーをストレートで頼むのがお決まりの私は、夏に滴るほど水滴が指の腹に着くのを感じながらカップを持ち上げる。 青と白の模様が施されたプラスチックを3本の指でつまみ、氷の様子をみながら2.3かき回す。 口へ運ぼうとすると、止めたはずのそれは途端にゆうことを聞かなくなる。 周りの目を気にし、苛立ちを覚えながらも口に含もうと躍起になってしまう。 ・ ・ ・ アイスティーは20分も経たないで飲み干された。 そろそろ店を出ようかと思いはじめた頃、音を出して飲み残された

    • To my diary. 57「I got flowers today.」

      私は今日、花をもらいました。 私の誕生日でも、何か特別な日だったわけでもありません。 私達は昨夜、初めて喧嘩をしました。 彼はひどいことをたくさん言って、私を本当に傷つけました。 彼が申し訳なく思って、彼が言ったことは本気ではないと、私には分かりました。 なぜなら、今日、彼は私に花を贈ってくれたから。 私は今日、花をもらいました。 私達の記念日でも、何か特別な日だったわけでもありません。 昨夜、彼は私を壁に打ちつけ、首を絞め始めました。 悪夢のようでした。

      • To my diary. 56「若者はアナーキー」

        我々にとって"秘密"という存在がそうさせる。 これは代わり映えしない日々の中で、我々が作り上げてきた大人厳禁の世界だ。 この世界では外の世界の方が無秩序だ、そう感じる者でないと立ち入れない。 我々は目を光らせて、厄介者または裏切り者を排除することに必死になりすぎている。 何もかも似ていなければならない。 似た境遇で似た価値観、そして共通の友達だ。そうゆう者でないと皆信用してはくれないのだ。 ここが違うなどと言われたら、相応の返答をしないと同類とみなされない。 人間のみ

        • To my diary. 55「mellow」

          あぁ、とろりと甘くてピリッと刺激的で誰もが欲しがる味にあたしはなりたかった。 手の届きそうで届かない、そんな存在に。 ・ ・ ・ 背を向けていった男たちをみて、どれだけ嫌味な視線を送っていたことだろう。 友人に家族、仕事に頼れる上司に慕ってくれる部下までいるあたり、充分すぎるようにみえてたの? そんな、いきなり"貪欲"とまで言われる筋合いはないと思うけど? はじめからから傍にあるものにどうやって幸せを感じろと? 気づけと言うの? ・ ・ ・ 30を過ぎてから仕事が

          To my diary. 54「ラズベリーを踏む。」

          彼女が横たわる白い部屋。 甘酸っぱい香りが閉じ込められて、見るに耐えない鮮やかさは彼女から精を奪い、咲き乱れているようだ。 床と壁に紫がかった赤色が艷られていた。 これは彼女の狂気と理性、そして官能を表し、彼女の中で壮絶な物語が繰り広げられているのだと逆再生するようにして想像する。 すでに絶望を感じとったであろう彼女の目尻から綺麗なものが零れ落ちる。拭き取ると鋭い眼光で睨みつけられた。 勢いよく仰向けになった。きっと、見たいと足掻いていたものが見ることが出来ないと察した

          To my diary. 54「ラズベリーを踏む。」

          To my diary. 53「本日のアイス」

          私の行きつけの喫茶店ではセットメニューを頼んだ際、食後に「本日のアイス」が出される。 「本日のアイス」というくらいだから、日によって変わる。 例えば、ストロベリーアイスだったり黒蜜きなこだったりゆずシャーベットだったりする。 このような3つのアイスの中から選ぶわけで、好き嫌いがない私は毎度悩むことになる。 今日もセットメニューを頼んだ私は、また迷わなければいけない。その時間をなくそうと、あることをした。 それは、他のお客さんとスタッフさんの会話のやりとりを盗み聞くこと。

          To my diary. 53「本日のアイス」

          To my diary. 52「N番部屋事件、博士部屋事件について思うこと」

          ※内容が内容なので、気を悪くしてしまう方もいるかと思います。心配な方は拝見を遠慮していただきたいです。 【目次】 1.初めに 2."N番部屋事件"とは 3."博士部屋事件"とは 4.どのようなことが起こっていたのか 5.世間のさまざまな意見 6.私個人の意見 初めに・・・韓国犯罪史上最大のデジタル性犯罪と言われている「N番部屋事件」「博士部屋事

          To my diary. 52「N番部屋事件、博士部屋事件について思うこと」

          To my diary. 51「私のこと」

          好きなお花は青いバラと白いチューリップとススキ💐 チェジュ島とすすきのたくさんある所に行きたい🌾🌾🌾 嫌いなのは行列で待つことと美味しくない上にカロリーが高い食べ物 🍽 深海魚になって泳いでいたい🐟 (私は泳げない) ヘアスタイルはレイヤーカット- - - - - - - - - - - ✄ ラメやグリッターなどキラキラが好き✨ ウェハースとチョコパイに最近ハマってる💞 熊本出身だからからくのうのカフェオレは安定の美味しさ🐂🐄 必需品はミンティアとリップ🌱💄

          To my diary. 51「私のこと」

          To my diary. 50「kogasena」

          記念すべきTo my diary. 50です。 本名が中性的な名前です。ちょっとやだ。 女の子だもん。女の子らしい名前がいい。 私にはもうひとつの名前、ペンネーム古閑千那というのがある。 " Koga Sena " 可愛いでしょ? 古閑千那って。 可愛いって思ってつけた名前が古閑千那。 私の地元が熊本だということを知らない方に、簡潔にお話すると──私は編集関係のお仕事に就きたいがため、好奇心と自立心と共に中学卒業後、すぐに横浜へ上京した。 方言は博多弁よりの熊本弁で

          To my diary. 50「kogasena」

          To my diary. 49「loveletter&fanletter」

          例えば、こんな感じ──💌 真っ白い便箋に想いの詰まった言葉を連ね、封を閉じる時には赤いハートのシールを貼る。 そして、そのレターを想い人の机の中や靴箱の中に入れておく。 少女漫画の影響なのかはわからない。 昔の私にはラブレターが、とてもロマンチックなものに見えていた。 本当はキャラものやキラキラしている封筒や便箋、シールを使いたいし、一枚じゃ足りない。 だったら、使えばいいじゃない。 でも、どうして、当時の私は──。 "男の子だからシンプルなものがいいよね?" "赤

          To my diary. 49「loveletter&fanletter」

          To my diary. 48「文フリ東京を終えて──」

          11月24日に開催されました、第二十九回文学フリマ東京を無事に終えることができました! 「Yellow dress」をお手に取ってくださった皆さん、目にとめてくださった皆さん、ありがとうございます。🐼🍂 一緒のブースで売った友達のと合わせ、計80冊の頒布。初出展でこれほどの本が売れたことに対して、とても驚いています。📚✨ ほぼ見ているだけの私は、十一月なのに冷房を入れるほどの会場の熱量に圧倒されてしまいました。🔥 周りの出展者の方も、気合いが入っているのが伝わり、私も出展

          To my diary. 48「文フリ東京を終えて──」

          To my diary. 47「20時に。」下

          ※To my diary. 46「20時に。」上の続きになります。 【本編】 この状況になるまでの記憶は覚えていられなかった。目の前の光景に叫び声もでない。 おかしな話、怖いからとかじゃ全くない。 「お前、よくもそんな平然と……」 「別に俺じゃなくても……」 そう、あなたは次から次へと薄っぺらな内容を掠れた声で口にする。 その言葉だけが私の頭をいっぱいにさせる。 私が視線を下に向けたら、ほんの一瞬あなたは目を見開いた。 どうしてあなたが持っているの? さっきまで

          To my diary. 47「20時に。」下

          To my diary. 46「20時に。」上

          ※授業で推敲し、修正を加えました。 【本編】 私がこの団地に住み始めて、今日で五年が経った。 向かいにある公園から、夕方になると子供達の甲高い声がジャリっと包丁を研ぐ音とともに聞こえる。それが、心地良くて好きだった。 私の顔もオレンジ色に染まっていることだろう。 そして、子供の頃から好きだったカントリーロードという曲を鼻歌まじりに歌っていた。 振り向くと、端に寄せたカーテンが、ふわりと揺れているのが台所から見える。 まだまだ削り足りない刃は、少しずつ私の手に馴染んで

          To my diary. 46「20時に。」上

          To my diary. 45「Cafe 3」

          訪れたのは「マレビトコーヒー」というお店☕️ 照明や壁飾り、お品書きと素敵なカフェです。 これからの季節にぴったりの落ち着いた雰囲気で、隠れ家的なのも魅力的でしたよ。 木目調の家具にオフホワイトの壁紙は温かく、どこか懐かしい気持ちにさせられます。 席数は多いとはいえませんが、それがまたいいのかもしれません。 ポストカードがクリップで飾られていたり、動物のぬいぐるみや重なった本や雑誌。 この、レトロでモダンな雰囲気は私にはないもので、飾り物にずっと目を奪われていました。 B

          To my diary. 45「Cafe 3」

          To my diary. 44「凛rin」

          叫ぶようにして歌を歌うんだ。心に凛と響く。 “静けさが僕を誘惑する。鏡の中を覗けば血だらけの僕が睨んだ” “ベルトコンベアに乗せられたまま、降りられなくなって「夢が叶いました」” そんな歌詞に私は痺れ、熱くなる。 それは、まるで、私を表しているかのようだ。 訴えるようにして──凛としていろとでも言うように──その、力強い歌詞があまりにも心に響くもんだから、私は自分と凛として時雨さんだけの世界に浸る。 小学生の頃から好きだ。車内に残り、いつも独りで聴いていた。曲を聴いた

          To my diary. 44「凛rin」

          To my diary. 43「宣伝:文学フリマ東京」

          2019年11月24日に開催されます、第二十九回文学フリマ東京にて、私、古閑千那もBL小説を出版・出店いたします! ※約40冊と数に限りがあります。 【詳細情報】・日時:11月24日(日) 11:00~17:00 ・場所:東京流通センター 第一展示場 ・入場料:無料 ・ブース:HL秋葉原 オ07~08 ・ジャンル:BL小説 ・タイトル:「Yellow dress」 ・価格:300円 8冊買うと1800円! ・文学フリマWebカタログ↓↓↓ https://bunfr

          To my diary. 43「宣伝:文学フリマ東京」