2024年を迎える前(ギリギリセーフ!)に、2023年Q3のフィンテックの動向を振り返ってみましょう。個人的な関心と担当の都合から、アジアに焦点を当ててお話しします。
要約
Q3に限らず、2023年全体として「ファンディングウィンター」だったので、冬を生き残るために堅実なコストカットと利益確保が優先されました。
インドやインドネシアを中心とするアジアでは、伝統的な金融機関のサービスにアクセスできない個人や中小企業向けのフィンテックが注目されました。
日本からも、五常・アンド・カンパニーがレンディング分野で世界6位の大型調達を行い、話題となりました。
資金調達金額から見るトレンド
金融包摂とは
金融包摂(Financial Inclusion)は、個人やビジネスが、適切な費用で安全で公正な方法で金融サービスや製品にアクセスできる状態を指します。
具体的には、銀行口座の開設、融資、保険、投資などのサービスが含まれます。金融包摂の目的は、経済的な機会を広げ、貧困削減や経済成長を促進することです。特に低所得者層や遠隔地に住む人々が、金融システムから疎外されず、その恩恵を受けられるようにすることが重視されています。
日本では銀行口座を持っていない、クレジットカードが作れない、教育ローンが受けられないといったことは滅多になく、信じられないかもしれませんが、世界全体ではまだまだそのような現状があるのです。
このような課題こそが、フィンテックスタートアップにとって解決すべきチャンスです。
終わりに
2023年Q3の振り返りをしてみました。日本で普段当たり前に利用している金融サービスのありがたさを再確認し、世界を見渡せばさらなる可能性を感じることができましたね。
好評なら、今後も四半期ごとに同様の振り返り記事を作成していきます!
参考文献