やっと見つけたわたしの手帳
長く手帳探しの旅をしていた。いろいろなタイプの手帳を使っては、しっくりこないと数年でやめ、次の手帳を探し続けていた。諦めて手帳をもたない生活をしていた時期もある。
世の中で評判になっている製品、たとえばほぼ日手帳やバレットジャーナル、ジブン手帳も試したし、A6ノートにカレンダーを貼る自作手帳もやってみた。
だが、4~5年前のある日、御茶ノ水の丸善でぴんときた手帳を見つけた。まず表紙の質感が好み。なかの紙は方眼レイアウト、紙の色も目に優しい薄いクリームだ。180度パタンと開く製本も素敵。何より、バーチカル型で1日が7時から始まっており、「7時」の前に余白があって数時間前の予定から書き込める。
当時から朝型の生活をしていたので「これだ!」と思った。マンスリーブロックやガントチャートもあって先の予定も書き込める。やっと見つけた自分の手帳!と喜んで数年間使っていた。
だが2021年の年末、いくら探してもこの手帳は見つからなかった。大きい文具店を数店回ってもない。ネットにも見当たらない。
仕方がなく、似た製品で間に合わせていた。多少不満はあるが仕方がない。2022年からは、自分の手帳ライフはこれでやっていくしかないんだと思っていた。
従って、翌年の2022年末は、早々に前年と同じタイプの手帳を買ってあった。
ところがそのあと、前の年まで買っていた「あの手帳」をネットで見つけた。なくなったと思ってたけど復活したの? こっちにすればよかったと後悔したが遅かった。せっかく買った手帳を、お気に入りの製品を後から見つけたからと捨ててしまうことはできなかった。
2023年度はその「次善」の手帳で過ごしていたが、あっというまに10月に入った。
そうだ、手帳を買わないと。これまでで一番ぴったり来た「あの手帳」が来年度分もあるかなぁ。と検索し、amazonで早々に買い物かごには入れていた。けれども「他のものと一緒に買おう」と思っているに数週間が経ち、10月も終わりになってやっと注文した。
ところが、決済画面でなんと「一時的に在庫切れです」というメッセージが出てきた。えっ!?遅かったか。もう売り切れなの?
諦めきれなかった。ネットには置いてないけれど、リアル店舗なら可能性はあるかもと、先日、御茶ノ水の丸善で探してみた。
まず文具店に行ったが、手帳コーナーは他社製品ばかり。探している会社のコーナーはない。レジで聞いてみたら「(丸善の)書店のほうにあるかもしれません。ただ、この会社さんは今年火事に遭って在庫が少ないので……」と言葉を濁された。
いい予感はしなかったが、ともかく見てみよう、と文具店の隣に位置する丸善書店に足を踏み入れる。当該ブランドのコーナーはあった。だが目当ての商品はない。
ああ、やっぱりないんだ……もっと早く買っておけばよかった。
来年の手帳はどうしたらいいんだ、また「次善」のものにするしかないのかとため息をつきながら帰途につき、スマホを見た。すると「Amazon.co.jpのご注文の商品1点が発送されました」というメールが届いて。
あれ、Amazonでいま注文している商品なんてあったっけ? と一瞬考えたが、すぐに「あっ、あの手帳だー」とぴんとくる。Amazonサイトでそれが間違いなかったと確信したわたしが、その日ぐっすり眠れたのは当然である。
翌日、無事に手帳が届いた。梱包を開けてみて、改めて表紙に感動。「そうそう、プラチナネイビーのこの色と、この光沢ある質感がほしかったんだよね」。そしてなかを開けると、そうそう、方眼レイアウト、クリーム色の紙に180ぱたんと開く製本も以前のとおり。
さっそく来年の予定を書きはじめた。
素敵な手帳を埋めていく作業は楽しい。これだけでもう、来年が良い年になる気がしてくる。
嬉しくなってぺらぺらとめくっていると、手帳の中に1枚の紙が入っている。なんだろう、広告でも入っているのだろうか。
なんと、手帳制作チームからのメッセージだったのである。
そうか、この手帳はやっぱり1年間休止していたのか。売れ筋ではなかったのだろう。それでも昨秋、2023年度版を復活させていた。わたしがそれに気づくのが遅く、他社製品を購入してしまっていたということになる。
だが2024年は、永岡書店の「BizGRIDプラチナネイビー」が手に入ったのだ。
わたしは理想の手帳を見つけた。今後、もうこの手帳一本でやっていく。自分への義務、タスクとしてスケジュールを入れておく手帳じゃなく、きちんと生きていくためのパートナー。まずは2024年、よろしく頼みます!
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