地元の夏まつり
コロナ禍以来4年ぶりに地元の夏まつりが開催された。
お祭りを主催する地元商店街の露店を、昼間にぶらっと覗いてみた。
駅前には、商店街に隣接した広場がある。肉と総菜を商う店は、ここで夏まつりに毎年ヤキトリとヤキソバを出す。露天商のよりも安くて美味しいので、地元民はみなここのを選ぶ。夜になると大行列必至なので、昼間のうちに買っておく。
この広場では、土日の2日間盆踊りをする。ポールなどを設営して提灯を準備している。提灯が高く揚げられていくを見ていると、「ああ、今年はお祭りがあるんだなぁ」と気持ちが乗ってくる。
さて、お祭りは夕方、日が落ちてきてからが本番。
夜店が軒を並べる通りに足を運んでみた。昔流行ったハッカパイプやわたあめなどはないけれど、昔ながらの金魚すくいやチョコバナナ、アンズアメ、かき氷などは健在。
なんとなく嬉しくてアンズアメを1本買ってみる。昔は干しアンズだったが、いまは缶詰のアンズなのね。なるほど、2つ3つスライスを入れても、こっちのほうが原価は安いだろう。干しアンズは高いからなぁ。それにしても昔のアンズアメはもう食べられないのだろうか、と懐かしみつる食べ歩いてみる。
長い行列ができている店には「日本一長いフランクフルト(1メートルくらいあるなが~いフランクフルト)」「ピカピカソーダ(容器内に透明カバーをつけたLED電球が入っている)」といった、これまでここでは見たことのなかった「インスタ映え」する商品がある。子どもから若者までみな、ピカピカ光るジュースを首から下げているのは雰囲気満点だ。
現代風アンズアメをなめながら夜店を冷やかしていると、広場で盆おどりがはじまった。昔は興味がなかったが、ちょっと見にいってみようかな、何せ4年ぶりだし。
曲は(ここは東京ではないが)東京音頭から始まった。次の炭坑節でなぜか輪に入ってしまい、踊りの上手い人を見ながら見よう見真似で手足を動かす。
盆踊りをするのは生まれてはじめてだが、後ろに下がる足の動きと腕の動かし方を覚えれば、なんとなくは踊れるような気分になってくる。次のズンパ音頭、八木節でも、適当に身体を動かして「踊れるふり」をしていた。
「次は、お子様も踊りやすいオバQ音頭です。子どもたちもぜひ輪に入ってください~」とナレーションが入る。動きも早く回転やジャンプの入るオバQ音頭は決して「踊りのやさしい」盆踊りの曲ではない。しかもオバQって半世紀前のテレビアニメですよ。子どもたちの親どころか祖父母世代の歌だ。わたしが幼児の頃、何かの抽選でオバQ音頭のソノシートが送られてきたことを覚えている。そのくらい昔のキャラクターではないか。
それでも子どもたちは入ってきて好き勝手にくるくる回ったり飛び跳ねたりしている。ああ、そうか。それでいいのか。だからこの曲をかけているというわけね。
さて、自分では毎日エアロバイクに40分乗ってトレーニングしているつもりだったが、4曲を2回ずつ踊ったら汗びっしょりになり、「もう無理」と離脱してしまった。
自分の体力のなさを思い知らされれつつも、見た目の何倍もの運動量が盆踊りにあることに初めて気づく。夜になったといっても30℃は超えている中、おそらく外部から呼んでいる浴衣のおば(あ)さま方は平気で踊りつづけている。「この運動量なのに、水をときどき飲むくらいで平気なの!? どれだけトレーニングしてるんだ」と彼女らのタフさに驚愕である。
ともかく水分補給しないといけないので、ここで撤収。家に帰ってBGMに盆踊りを聴きながら、ビールと昼間買っておいたヤキトリで乾杯だ!
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