ACT小品展~友人の作品を初めてリアルで観る

 今年になってから、twitterで気になる画家の作品展をいくつか観にいってきた。そのたびに、行ってよかった、やっぱりリアルの絵はいいなぁと思った。そこへ、友人の作品が出展される展覧会があると聞いた。ACT小品展である。これは行くしかないでしょう。

 信濃町から四谷三丁目方向に歩く。「アートコンプレックスセンター
」とGoogleに入れ、経路案内でたどり着くことができた。
 2階のギャラリーへ階段を登っていく。いくつか展示室がある。「ACT小品展2023」のパネルは見つけたけれど、100人以上、200点を超える作品が展示されている中で、友人の画はどこにあるだろうか。
 彼女の作品は、写真ならば何度も見たことがある。毎年の年賀状でも拝見している。少しは作風もわかっているので、ネームプレートの文字を追わずとも、作品を見ればそれとわかるだろうか。
 最初の展示室に入る。「小品展」だから、小さい作品が何十枚も並んでいる。順番に目で追っていくと……。あっ、これかな。写真で見慣れている、(たぶん)大きいサイズの絵とはちょっと雰囲気が違うけど、色づかいや花のモチーフがなんとなく「見たことある」感覚だ。
 下のプレートを見ると、やはり間違いなかった。2作品のどちらも、瀬尾友子さんの作品とわかった自分がなんとなく嬉しい。
 室内の窓枠に白や薄紫の花が飾られ、そして窓から門が見える「外へ…」。ああ、どうしてわたしの気持ちがわかるのだろう。ここから出てみたい。けれどもここは快適で、好きなものも周りにたくさんある。それでも、見たことのない世界に行ってみたい。そういう感覚をつよく覚えた。小さな絵なのに吸い込まれそうだ。
 画材はアクリル絵の具や色鉛筆だというが、素人には、どこに何が使われているかはわからない。でも、そういうことがわからなくても絵を観にきていいんだ。「この人のリアルな作品を自分の目で見たい」という気持ちがあれば、それだけで来ていいんだよね、と思えた。
 プレートには赤い印がついている。売約済か。そうかそうか、そうよね。なんとなく嬉しかった。自分が気に入った作品が、もっともっと気に入った誰かのところで飾られる。なぜだか幸せな気持ちになった。
 ほかの画家では、田口恵子さんの「ジェミニ」が素敵。暗い中できらきら光るもの、とくに星と星座が好きなわたしにとっては、「ど真ん中」の作品だった。やっぱりリアルはいいな。
 そしてよく見ると、瀬尾さんは秋に二人展を開催するとある。今度は大きい作品も展示されるのだろうか。ぜひ、また来なくては!

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