マルタ留学🇲🇹ゴゾ島観光編
マルタ共和国は4つの島で構成されています。そのうちのひとつ、ゴゾ島へ行った時の話をします。ここへ行ったのはマルタに来た最初の週末。学校のアクティビティで参加しました。学校のあるセントジュリアンからバスに乗ってフェリー乗り場へ。そこから約30分船に揺られてついた先は、初めて海外に来たわたしにとって、異国情緒たっぷりの場所でした。
まず移動した先はブルー・ホールという洞窟。普段はダイビングができるそうですが、この日は風が強く波も高かったのでやっていませんでした。この写真の後、足首まで波が来てびちゃびちゃになりました。ブルー・ホールの反対側には絶壁があり、そちらには青々とした地中海が待っていました。
大学時代に鳥取砂丘へ旅行して、初めて日本海を見た時のことを思い出しました。あの時も海の美しさに圧倒されましたが、ここで見た海はそれを凌駕する、恐ろしいほどの美しさでした。青さも深さも風も匂いもすべてが違う。柵のないこの崖から足を滑らせたら、一瞬にして海の藻屑になるんだろうと錯覚した。自然が強い。この海を見るために遥々日本を飛び出したのだ、といっても過言ではないと思いました。
ゴゾ島の真ん中にはヴィクトリアという町があります。ゴゾ大聖堂を中心に構える城塞都市です。教会を取り囲むように配置された家々に、住民の信仰心を感じました。わたしは神様は信じていないけど、土地の人々の信仰が染み付いて尊さを増す雰囲気を帯びた通路を歩けば歩くほど、自然と人と神が共存する空間が本当にあるんだと確信しました。晴れた空と歴史的な建物が、気持ちを過去にタイムスリップさせる。家々の玄関先に飾られるマリア様のレリーフも、鳴り響く教会のベルも、すべてがそれを助長させる。物語の世界のものだと思っていたバルコニーや裏路地や石畳が存在する土地で、もし老後一人ぼっちで生きていかなければならなくなったら、わたしはここに来て、神様の存在を感じながら終わりの日を待ちたい。ヨーロッパの島国の、さらに離島で、日本に比べたら不便で仕方ないこの国で暮らす人たちは、温和で優しく、便利さはないけれど、それでも不自由な暮らしはしていない。幸せとは便利なことではない。信仰と信愛があれば、人は幸せを感じられるのだろうと思える場所。わたしにとってのゴゾ島はそんなところでした。