Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ
コロナのドタバタの最中である今年も、ブドウにとっては微塵も関係なく、記録的な早熟だった2020年ビンテージも収穫の季節を迎えました。
(もといもうすぐ終わろうとしてますが…。)
そろそろブドウ畑に戻りたいなぁという気持ちが強くなり、今年は収穫にフルで参加(約3週間)。
以前研修で行っていたコンドリユーのドメーヌにお世話になりました。
いろいろ書きたいことがあったので、Vendanges 2020は3つに分けて書いていきます。
その1、収穫の流れ
その2、収穫の雰囲気
その3、私が見た2020年ビンテージ
今回は、表題の通り「その1:収穫の流れ」です。
Vendanges(ヴァンダンジュ、収穫すること/収穫物の意)がどのように行われるかですが、ドメーヌ単位で少しずつ違うということを理解していただいた上で、私が経験したことを書きます。
まず一日の流れはこんな感じ↓
5:30-45 起床
6:15 自宅出発。近くの駅で一緒にドメーヌに行く人を拾う。
7:10-20 ドメーヌ着。トイレ、コーヒータイム。
7:30 ドメーヌ出発。
7:45 ブドウ畑着、収穫開始。
8:45 ブドウ畑で朝ごはん=Casse-croûte(カス・クルット、「パンの耳を崩す」の意が転じて、ごはんを食べるという意味)。
自家製テリーヌ、チーズ、チョコレート、ワインなどが振舞われる。
9:00 収穫再開
11:45 午前終了。ドメーヌに戻る。
12:00 ドメーヌ帰着。収穫されたブドウを、白なら搾汁機に、赤なら除梗機に放り込む。バケツやケースを洗う。
12:15 アペリティフ開始。
12:30 昼食。(前菜、メイン、チーズ、デザート、コーヒーのフルコース。ほぼすべてが自家製。)
13:30 ドメーヌ出発。
13:45 収穫再開。
16:45 午後の収穫終了。
17:00 ドメーヌ帰着。解散。
18:30頃 帰宅。ソッコーでシャワーへ。
22:00 就寝。泥のように眠る。
収穫作業の流れはこんな感じ↓
1、収穫人(ヴァンダンジュールVendangeurとか、クプールCoupeurと呼ぶ)が摘み取ってバケツに入れる。
→私がやったのはこれ。ひたすら摘み取る。
※イメージ1
2、運ぶ人(ポルトゥールPorteurと呼ぶ)がある程度ブドウがたまったバケツを回収していき、ケース(容量30㎏)に入れる。
→足場が悪いところを両手に重いバケツを持って歩くので、基本的に男の人がする。男女差別ではない。
※イメージ2
3、満杯になったケースをミニキャタピラー運搬機(Chenietteシュニエット。日本語正式名称は知りません。)に乗せてトラクターまで運ぶ。
→斜度45度位の斜面を後ろ向きに上り、前向きに降りるという神業を発揮。
※イメージ3:もっと古くてやや小汚いのですが…。(おんぼろ、という言葉がふさわしいかも。)
4、トラクターがいっぱいになったらドメーヌへ運搬。
→手で一ケースずつ搾汁機や除梗機に放り込む。男性に任せて、女性はケースの洗浄をする。これも男女差別ではない。
収穫する畑の大きさや収穫するペースによって、時間は多少前後しますが、上記のルーチーンを3週間ひたすら繰り返します。
正直、3日くらいで飽きます(笑)
でも飽きより何より、傾斜のきつい畑を常に上り下りしながら収穫するのは体力的にしんどい…。
それに、午後の気温が30度を超えると、ブドウ畑の斜面での体感温度は35度を超えるので、それも体力を消耗する原因となります。
「疲れを感じるのが早く、取れるのが鈍い…」と感じ始める歳になり、30代後半を痛感。
「30代はそこそこ」by宇多田ヒカル を思い出す。
それでも、下に掲載のような眺めでの収穫は一味違います。
キレイだなーと純粋に思える気持ちが爽快感を与え、疲れを一瞬忘れさせてくれ、気分を新たにしてくれます。
※これは私が実際に撮影した写真。
それでは次回に続きます。