黄金+α振り返り(ネタバレ感想)
FF14の最新の拡張「黄金のレガシー」をクリアして二週間あまり。気持ちがだいぶまとまったのでつらつらと感想書いてく。もちろんネタバレするよ。一言でまとめれば「100点ではないと思うけど普通に面白かった」。
夏休みではなくね?
夏休みではなくね!?
夏休みじゃないよね?
ヒカセンの夏休みじゃなかったの!?
たぶん思った人多いと思う。前後半でシナリオを分割して、次の拡張の萌芽を育てていく必要があるというのは分かるんだけれども。前半は継承戦、後半はまたしても世界を救う。「歴戦の傭兵は戦場の中でしか己の価値を見出せない」みたいな悲しさを感じちゃう。歴戦の冒険者には新たなる冒険は許されず、結局は世界の危機に巻き込まれてしまうのだ……。
シナリオ自体は面白い方だった。より深堀りできた設定やシチュエーション、登場人物なんかはあったけど、大きな矛盾や破綻は起こさずにまとまっていたように思う。「そうそう上手くはいかない」「なんでもかんでもご都合主義ではうまくいかない」がFF14のシナリオの魅力だと思うので、そこは押さえられてたと思う。マムークの人達が、長年守ってきた双血の教えをあっさり覆されるのはさすがに不自然だったけど…。
前半の多文化共生というテーマは丁寧に描かれていて良いものだったし、グルージャジャが継承戦という形式にした理由も納得がいった。ただ、もう少し一つ一つの地域にもう少し踏み込んで描いてほしかった感はある。サイドストーリーをやりきればさすがに多少の愛着が湧くものの、メインストーリーはウクラマトが必要最低限の手数で必要不可欠のことを学んで「はい、次へ!」となってたのでもったいない。それも序盤はマシだけど、中盤のシャーローニ荒野なんかは完全に通過点って感じ。全体的にちょっと物足りなかったけど、新生+紅蓮ver.2って感じのシナリオで不満に目をつむることができるぐらいには面白かった。
後半(セノーテあたり)からはやはり盛り上がりが凄い。ヘリテージファウンド、ソリューションナイン、突然の科学国家。やっぱり積み上げてきたものを壊す時こそがカタルシスだよね。最終エリアはボロボロ泣いて進められない時もあったし、好きな展開やシーンは多かった。
しかし明らかに、ラスボスの顔をして登場したスフェーン。これは別に黄金のレガシーの問題ではないんだけど、「死ぬ前に交流させることで情を持たせて戦闘を盛り上げる」って手法なのがバレバレすぎた。というか、それをやるのであればエメトセルクぐらいしっかりやってほしい。スフェーンはどうせ戦う運命なんだろうな…早く敵対していいよ…と飽き飽きしてしまった。まあしかし、後半は謎多き怒涛の展開なので、やはりなんだかんだ楽しめた。前半よりもFF14らしさが出ていたように思う。
シナリオの完成度が高い時もあれば、そこまでではない時もある。細かい不満はあったものの、総じて黄金のシナリオはよいものだったと思う。それに、トゥルル~♡アワワ~♡とかサムいギャグ連発のシナリオだったらどうしようと不安だったので、そうじゃないのもよかった。次の拡張へのバトンは渡せているのではないかと思う。
ウクラマト好きだけど、なんだかんだ最初から一番まとも
ウクラマト。結構賛否は分かれているようだけど個人的には好き。ただ、ぶっきらぼうな言葉は使うけどぶっきらぼうな喋り方はしないので、この人本当はどっちなんだろうとヒヤヒヤする。豪放磊落ガハハ系かと思ったら意外と普通の人。
ただ、「王女としての期待が重圧となる」「兄弟との差を感じる」みたいな弱点をあれよあれよと克服してしまったのは気になった。6.55でも戦闘のあとに手が震えてるみたいな描写があって、戦闘は不得手なのかな?と思ったらあっさり友友情パパワーでバクージャジャもぶちのめす。雑っちゃ雑なんだけど、成長のスピードが尋常じゃない&元から凄かっただけで成長はしてたし、これもまた目をつむってあげたい。むしろシスコンアヘアヘコーナ兄さんの方がよっぽど成長してない。コーナ兄さん、キャラとして弱いというかお飾り感が凄いのよね…。
ルガディンどこ?
これは実はずっと思ってることではあるのだが、FF14はメインストーリーに絡む登場人物にルガディンが少ない。もちろんメルウィブ提督、ムーンブリダ、ゴウセツ、ホーリー・ボルダーと例を挙げればいくらでもいるのだが。しかし主人公一行にルガディンがついてくるのは相当レアで、下手したらケテンラムが最初なのでは?と思ってしまうぐらい。ルガディンからメインクエストの受注したこと、今までに何回あるだろうか?しかもソリューション・ナインに来たら細身の美男美女だらけでルガディンを探すのも一苦労。ムキムキのマッチョをよこさんかい!暁の血盟も初期5種族でいないのはルガディンだけ!これはアシエンが裏で糸を引と、色々思ったりする。新キャラが出てもやはりエレンヴィルやコーナのような美形男子。ラハが裏方回ったのに、またミコッテの新キャラか……しかもシスコンアヘアヘムーブ……と苦々しく思ってしまった。そのラハは後半でちゃっかり戻ってきてファンサのデートシーン(?)もあるし。
逆に活躍の機会が少なかったクルルさんが表に出てくるのはとてもよかった。ララフェルが活躍する場面が増える、という意味でも。メインストーリーにはずっと絡んできたけど、なんだかんだずっと裏方だったからね。もちろん、ケテンラムが登場したのもめちゃくちゃ嬉しかった。ルガディンだし、良いキャラだし。もうちょっとルガディン、特にルガオスを増やしてくれてもいいのよ!
そういえば、最近はちょっとアウラもややレアな感じするのよね……。新種族を積極的に出したいというのは分かるから、その辺難しい問題だろうなと思ったりもする。
戦闘に新しい要素入れてきて◎
戦闘コンテンツは文句なしにめっちゃよかった。もうどんな技やギミックが来ても、対処できそうな気持ちでプレイをしていたけれど、初見のコンテンツは戦闘不能になることもあった。最初は難しいけど慣れれば8割がた大丈夫という、ちょうどいい塩梅だ。今まで「床と戦ってる」「大縄跳び」と批判されてきたのを考えると、ちゃんと敵の状態を視認して状況判断をする必要が増えたのも良い。以前と同じギミックでも、エフェクトを変えたりして捻ってくるのもいい。ヴァリガルマンダもゾラージャもちゃんと戦ってる感あったし、レイドも楽しい。暁月はデバフ管理が多かったけれど、黄金は脳トレが増えるんだろうか。10年以上経っても同じフォーマットから新しいものを出せるのは、さすがだ。
ただ、予兆が出てから避けるタイプの技で、たまに技が出るのがあまりに遅くて時間の余裕にびっくりすることがある。ひょっとして我々プレイヤーは開発陣に老人と思われてる?
ダンジョン曲もう少し凝ってほしい
これもずっとモヤモヤしてるポイントで、別にクオリティうんぬんという問題ではないのだけど。漆黒後半あたりから、ダンジョンの曲に過去作やフィールド曲のアレンジが使われることが多い。そのぶんレイドの曲は豊富で歌詞もついていて気合いは感じる。だけど、ダンジョンでも新しい曲もっと聴きたいなあ……と密かに不満に思ってる。どれも良い曲だよ、良い曲なんだけど、「これよく聴いたら今までフィールドでずっと流れてた曲だ」というパターンが多くて落胆してしまう。アレンジ曲にするのであれば、ヴァンガードやオリジェニクスぐらい凝って、すぐに見破られないぐらい気合い入れてほしいと思うのだ。これは私の個人的な超ワガママ。
新ジョブのスタートLv50でいいよ
これも超個人的なワガママ。そもそも新ジョブの「実装時の拡張のレベルキャップ-20レベルでスタート」というシステムには疑問がある。
新生のストーリーに絡むところが変えづらいのは分かるから、初期ジョブとして選べないのはまだ分かる。でも初心者がヴァイパーやりたいって時にレベル80の他ジョブがいないと習得できない、ってどうなんだろう。そもそもクラスチェンジって概念がほぼ死んでるので、ヴァイパーなんか双剣士から派生してもよさそうじゃないだろうか。しかも、ジョブクエストはその特性上(青魔道士以外は)メインストーリーの進行度と関係がない。
しかも、新ジョブのヴァイパーが、スキル構成の関係上レベル90になるまで弱いという話を聞いた。逆にピクトマンサーはダメージが高すぎるせいで、エンドコンテンツではぶっちぎりで強いともっぱらの評判。レベル50以上のコンテンツでの運用を念頭に置いて、低レベル時のスキルも調整すればそういった事態は防げそうな気がする。なので、そうしたジョブ格差が起きづらくするためにも、初心者がやりたいジョブを早くできるようにするためにも、拡張で追加されたジョブは一律でLv50のスタートでいいんじゃないかと思う。開発プロセスに無知な一消費者のワガママだけどさ。FF11なんかは早めにジョブチェンジできるっぽい?(知らない)
駆け足でやや薄味、でもパッチ分と次の拡張は楽しみ
もう少し時間をかけていいので、丁寧にストーリーを描いてほしかった気持ちはある。でも、全体的に悪くはなかった。新しいフィールドにはワクワクできたし、テーマはよかったし、最後は滝のように泣いた。戦闘コンテンツはかなり満足したし、今後の展望に期待できた。コロナが終わったことで黄金のパッチサイクル早くなったりしないかな。ストーリーがあっさりめだった分、戦闘コンテンツやストーリーの補完といったアップデートが楽しみだ。