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オチャ 〜笑面の仮面舞踏会〜前編


俺がめりのだ。
別にこの記事はお前たちに読ますために書いたものではない


7月
太陽が道端で倒れているアホどもの肌を焼き、その香ばしい匂いで野犬が小躍りするようなよくある夏の日

俺の怒りはピークに達した。

なぜかって?
それはお前たちアホが真の男というものを忘れてしまっているからだ。

だから俺は来た。
そう、オチャの町に。

集合



真の男の朝は早い。
なぜかって?
真の男には明日は来ないからだ。
そう言う危機感を常に持ちながら生きなければ荒野では生きていけない。
特にお前たちは危機感がないので、荒野に足を踏み出した瞬間にサボテンに刺されて死ぬことになる。

俺たちは11時に高速馬車の乗り口に集合した。

ケンチャナヨ
若くて綺麗な女の肌を剥いで自分の顔に貼り付けるのが生き甲斐の屈強でイカれたシリアルキラー

ウズイ
5メートルある屈強な拳闘奴隷
『マヤシータ・サン(悲痛な死の意)』と叫び、暴れ回るイカれた男

エド
巷を騒がせる錬金術詐欺の第一人者
ニタつきながら鉄を金に変える謎の液体で人々を惑わせるイカれた男

新幹線飲み


俺たちは高速馬車の回転する席に座り、KPした。
こんな早朝でも俺たちは飲む。
なぜかって?
真の男に明日は来ないからだ。

俺たちは再開を祝った。
ケンチャは若い女の皮を自慢し、ウズイはヤマシータ・サン!と暴れ回り、エドは俺のチャンゴを金に染めて俺に殴られていた。
実に心地が良かった。
ちなみに俺たち4人の月即数合計は、片手で足りるくらいだった。
俺はこのまま帰ってもいいと思った。

だが、俺にはやらなければならないことがある
だからオチャの町に行く。
つまり、お前たちも俺を見習って目的意識をもって生きるべきなのだ。

ウズイのヤマシータ・サンを10パターンくらい聞いたら何時間かたった。
高速馬車はオチャの町に着いた。

ナヨナヨした男の像だ


着くや否や俺たちは変な銅像の前で写真を撮った。
真の男の記録を残すためだ。
すると、見知らぬジジイが俺たちのところに来て、銅像についてツラツラと説明し出した。
オチャ…面白いところだ。
俺はそいつに唾を吐いた。

その後、ドン・キホーテで大量の酒を買い、モーテルに向かった。
繁華街の近くのいいモーテルだ

モーテル

俺たちは部屋に入り、眠った…
チャンゴを飲みすぎたのだ。

一時間後、俺たちは目を覚ました。
フラフラと集まり、とりあえずサルーンへ向かうことにした。

俺たちはスマッホンを開き、各々サルーンを探した。
いまさら店を探すのは、俺たちが予定を立ててないからだ。
俺たちは予定を立てない。
事前に店など探さない。
なぜなら、真の男に明日は来ないからだ。

エドが『赤マムシ』というオチャの町で有名なチェーン店を見つけた。
うまい店なのか聞くと、なぜかウズイが「ヤマシータ・サン!」と叫んだ。

とりあえずそこに向かった。
赤マムシはごくありふれたサルーンだ。
俺は唾を吐き中に入った。
広く、薄暗い店内の奥に案内され、俺たちはテーブルの上にあぐらをかき、生魚盛りとギョザ、マボドーフなるものを頼んだ。

俺は両手で貪り食った。
生魚盛りはぬるく、マボドーフは何の味もしなかった。
何を食べたか全くわからないほどのどうしようもないサルーンだが、給仕の女が可愛いかったのでよかった。
猿轡から涎を垂らしているウズイを見ながら、俺はションベンのように生温いチャンゴを一口で飲み干した。

スト


さて、狩りの時間だ。
俺たちは酒を飲み、四方に散った。
オチャのバンビは質が良く、殺気に疎い。荒野と違い、死線を浴びることが少ないのだろう。

これは…いける…!
俺はやる気になった。

…何声掛けかした。

しかし、即どころか連れ出しも出来ない。
オープンしても心に触れている感覚がない。
こいつらは中身のないトルティーヤ、善良な仮面をつけたカカシだ。
いいだろう。俺のサルサでこのくだらねえ仮面舞踏会をぶっ潰してやる!
俺は唾を吐いた。

1時間後…

俺は1人で酒を飲んでいた。
Lゲも連れ出しもできていないからしょげているのではない。
全身の古傷が傷んだからだ。

なんのことかわかっていないマヌケに少し昔話をしてやる。

俺はとある女にハメられて、一年半もの間、拷問を受けていた。
真の男である俺は、ヤツがそういうクソ女だってことはわかっていたが、罠だとわかっていながらも自らハマってやるのも真の男なのだ。
お前たちも俺を見習うといい。

ヤツは俺の体を叩きまくった後、俺を宙吊りにして全身の骨を砕き、皮を剥ぎ、ケバブした。
メリノがケバブとは
その時、俺は生まれて初めて笑った。

一年半後、真の男の頭脳で奴らの隙をつき、命からがら逃げ出した。
その時点で俺は全ての機能が停止していた。

「この真の男は強靭な精神力だけで動いているまさに化け物だ」と医者がションベンをちびりまくるほど俺の全ての機能は停止していたのだ。

あれから3日…
真の男の古傷もさすがに開くので、テキーラで消毒しながらストをする必要があった。

テキーラを2本ほど空け、俺は立ち上がった。
その時、スマッホンが鳴る。

エド「即」

「エド!この野郎!!」
俺は叫んだ。
なぜならばその女は俺が即る予定のバンビだったからだ。

あいつは俺の即の機会を奪った略奪者だ。

俺はまた大声で叫んだ。
「パスはよ!」

その声はオチャの薄濁った空の吸い込まれていった。


俺は俯きたくなったが、そんな自分の顔面を殴った。
何度も何度も殴った
この不甲斐ない自分が許せなかったのだ。

即った者が勝者。
そう。それが荒野の掟なのだ。

お前らに教えてやる。

どんな事があろうと、即った者が勝者なのだ。

俺は悔しくて、唇を噛み締め、血を流しながら何人ものバンビに声掛けをした。
だが、バンビたちは相槌を打つだけで一向に罠にかかろうとしない。
呑気な分、荒野より時間がかかってタチが悪い。

ウズイ連れ出し

俺は一度ケンチャとチャンゴを飲もうとゾーンに向かっていた。
その時、またスマッホンが鳴った。

ウズイ『連れ出し』

俺は全身の力が抜けて、全ての傷口から血を吹き出し仰向けに倒れた。
さっきまで小汚い乞食のババアと和んでいたあのウズイが…
閉経しているババアがストライクゾーンのあのウズイが…

俺は思った。
この町はいかれてやがる…

こんなやつ

急に虚しくなった俺は荒野に向かってトボトボと歩き出した。
あまりのストレスに乳臭いガキのように何かに甘えたくなったのだ。

5メートルほど歩いた後、俺は我に帰り、乳臭いガキから真の男に戻った。

殺してやる…

俺はチャンゴを地面に叩きつけ、荒野と反対方向に歩き出し、ストを続けた。
もう酒などいらねぇ!
全員殺す!

エド合流&解散

それから30分、俺はケンチャとチャンゴを飲んでいた。
すると俺の前にツヤツヤした顔のエドがきた。
やつは事が終わりモーテルから呑気に出てきたのだ。
眠たいだのよかっただの抜かしやがったので柱に縛りつけ奴の目を抉った。

しばらく話していると、奴らは眠いと抜かしモーテルに帰って行ったので俺は1人でストをした。
深夜、1時間ほどストしていると呼び込みのアホしか居なくなったので、俺はトウショウメンというゴムゴムしたのが入った汁を啜って寝た。
美味しかった。

トウショウメン

しきじイン


早朝。
俺とエド、ケンチャは馬車に乗っていた。

昨日、エドがシキジと言う名の聖なる泉に行きたいと言うので、ションベンくらい生温いチャンゴをうまそうに飲むしかやる事がない俺たちは奴について行ってやることにしたのだ。

馬車で30分くらいしたらついた。
何にもないところにシキジと書いてある荒屋が佇んでおり、そこに大量のアホが群がっている。
どうやら行列ができているようだ。
エドによると灼熱の箱と聖なる泉に入るために集まってるらしい。

エド。こいつはアホだ。
そしてここに群がってる奴らもアホだ。
暑い中群がって灼熱の箱に入るのはアホのやることだ。
そう言う奴は常に灼熱である荒野へ行け、
そして俺を見習って肌に粗塩をすり込めばいいのだ。
俺はとりあえず中にいる奴らをぶん殴ってやるために服を脱いで金を払い、荒屋の中に入った。

中にはアホがうじゃうじゃいる。
とりあえず体を洗い、灼熱の箱に入る。
箱の中には沢山のアホが座っており、俺はそのへんのアホの横に座る。
ジリジリと熱い、
ニューメキシコと同じくらいの涼しさだ。

アホの横で俺はニューメキシコのことを思い出していた。

ーーーーーーーーーーー
ごくありふれた1日、
俺は疲れたふりをしてベッドで横になっていた。

真の男でも疲れたふりをしたいと思う時がある。
お前らも俺を見習って、疲れたアホの動きをマスターして「あー」とか「うーん」とか言いながらベッドで横になるといい。

俺が疲れたふりをしていると、キッチンからグアダルペがグレネードの破裂時に出る破片のように噴き出してきて、ナイフやらモルカヘテやらを俺に投げつけながら叫んだ。

「どうして開けた扉を閉めないの!!」

お前らも知っているだろうが
俺は閉めない男だ。
アガベのボトルも冷蔵庫も車も、もちろん家も。

あろう事かグアダルペはグラスを並べる扉が開いていることに苛立ったようだ。

女は何もわかってない。
あいつらは見たものをそのまま大声で叫び散らすだけのうるさい猿だ。
だがグアダルペのそういうところに惚れて俺は心の扉を開いたのだ。

俺はグアダルペの髪を掴み上げこう言った。
「なぜ閉めないかって?それは俺が紳士だからだ」

グアダルペはポカンとし、俺の腹に複数回刺したナイフをきたねえ地面に落とした。

「紳士はレディーに扉を開けてやるもんだ」

その後、俺たちは結婚し、結婚式2次会でグアダルペは凶弾に倒れた。
ーーーーーーーーー

物思いに耽っていると身体中から汗が出てきた。
俺は灼熱の箱に飽きたので出た。
俺の前に出たアホはみんな端にある泉に入って行く。
もしかしてあれが聖なる泉か。


俺は飛び込もうと踏み込んだ
その時、ケンチャが俺のジャンプを手のひらで押し込むようにして止めた。

どうやら椀で体を清めてから入らないといけないらしい。

俺は神を信じない。

そのままケンチャの手を退けて飛び込んだ。

俺は叫び声を上げた。

冷たすぎる!

夜のニューメキシコ!いや、もっと冷たい!

俺は飛び出でようと踏み込んだ。
その時、ケンチャが俺のジャンプを手のひらで押し込むようにして止めた。

どうやら灼熱の箱で熱くなった体を聖なる泉で冷ますのがいいらしい。

外が熱いのだから最初から聖なる泉に入ったらいいのではないか!
そう言って俺はケンチャを殴った!

80発くらい殴ったところで、急に俺の体はビリビリしてきた。

ケンチャが泉の底に沈んだ頃、俺はおかしくなった。

血管に鉄が流れるのを感じ、脳がマリファナをやった時みたいになって、体がビリビリした。

この変な感じはバンデラスとやり合った時以来だ。
俺は喜び、もう一度灼熱の箱に向かった。

だが、灼熱の箱の前には同じ向きにフルチンしたアホどもが行列を作っていた。

俺は一気に気持ちが冷めて、普通のあったかい泉に入った。
普通の泉はちょうど良い温度でちょう普通だった。
普通の泉に入ったり出たりだらだらしていたら、頭と口に布を巻いたジャパニーズニンジャみたいなエドがモクモクの箱から出てきた。


布を取ったエドは、顔面を紅潮させ鼻水を垂らして聖なる泉に入っていた。
エドを見るに、モクモクの箱は灼熱の箱より
かなり温度が高いようだ。

面白い。

並んでいないので、俺は何も持たずにモクモクの箱に入った。

熱い!!

すぐさま皮膚が焼け、爛れた。

モクモクの箱の奥の椅子に座ろうと思っていたが、それどころではなく、5秒で箱から出た。

あれは地獄か?

俺は全てを諦め、シキジから出た

シキジ、一瞬でも俺を喜ばせただけ褒めてやろう。
お前らもシキジに行ってみるといい。

同じ向きにフルチンしているアホどもも見て気持ちが冷めなければな…


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