「もしも」を描く・・・偽物家族の不思議なひととき
みなさんこんにちは。メリアです。
今日はまたまたいぬじゅんさんの作品を紹介いたします。
なんて綺麗な表紙なのでしょうか。
あらすじ
『劇団はままつ』に所属する主人公の結菜。
昔はテレビCMに出演していた過去を持っていた。現在はTVのオファーはなく、大好きな舞台では脇役オーディションばかり受けている結菜。
家庭でも学校でもうまくいかず、当たり障りな毎日を過ごしていた結菜に、劇団はままつの存続が危ういことを知り、その危機を救うためにとある依頼を劇団長から頼まれる。
それは「『レンタル劇団員』として、とある家族の一員となって欲しい」という…。
衝撃的事実と感動のラストに心温まる作品となっています。
感想
『レンタル劇団員』という話に「普通の舞台ですら緊張するのに、現実の世界で演じるなんてムリだ」と何度も諦めようとする結菜。
しかし結菜は"もう一つの家族"と過ごすことで本来あるべき家族の温かさや友人と過ごす日々の素晴らしさに気づいていきます。
何度も諦めようと、挫けそうになっても、誰かを支え、支えられ、最後まで女優として全うし、結菜の弱点から大きく成長する姿を見られることいがでました。
誰もが悲しみを隠し、その中でも優しさが溢れ、一歩踏み出していこうとする姿に感銘を受ける作品でした。
いぬじゅんさんの作品は最後の最後まで結末が予想できず、まるでミステリー小説でありながらも、その中で、家族や友人との温かさを見出す事ができます。
自分の意思をしっかりと持つこと。
"今"を大切にすること。
それらをそっと教えてくれるいぬじゅんさんの作品が大好きです。
ぜひ気になる方は手に取ってみてはいかがでしょうか。