バイドゥのアド・プラットフォーム「MediaGo」とマイクロソフト「MSN」が提携
『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。
今日の『戦略をアップデートする』で取り上げるのは、中国のバイドゥが提供するアド・プラットフォーム「MediaGo」です。
バイドゥは、2020年7月8日付けのBUSINESS WIRE「Baidu’s MediaGo Ad Platform Now Offering Native Placements on MSN」を通して、バイドゥのグローバル・ビジネス・ユニットが運営するアド・プラットフォーム『MediaGo』は、広告主に対して、マイクロソフトのポータルサイト『MSN』の広告インベントリ(広告在庫)へのダイレクト・アクセスを提供すると発表しました。
広告インベントリとは、WEBサイトでのネット広告の表示回数のこと。インプレッションとも言われます。インプレッションは、メディア(媒体)が広告主へ提供する広告枠として売買されますので、広告枠の在庫ということになります。
この提携は、バイドゥの「MediaGo」を利用する広告主にとっては、他のアド・ベンダーを仲介させることなく、MSNポータルサイトやMSNの姉妹サイトの良質な広告枠に直接アクセスすることができる、米国市場へアクセスできるというメリットがあります。一方、「MSN」にとっては、中国の検索エンジン市場で圧倒的なシェアを誇るバイドゥの顧客(広告主)を取り込むことができるというメリットがあります。
8回目の『戦略をアップデートする』でも触れたように「データの利活用」と「プライバシーの保護」の両立が求められるところ、0パーティデータや1stパーティデータがますます重要になり、ネットメディアとネット広告の関係性も大きく変化しています。その中でのバイドゥとマイクロソフトの提携、注目です。
田中道昭
PS.著書では、0パーティデータや1stパーティデータの説明や広告とメディアの未来についての解説をしています。よろしければお手にお取りください!
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