主要自動車メーカー各社、決算発表
note記事『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。
今日の『戦略をアップデートする』では、自動車メーカーの決算を取り上げたいと思います。
先月末から、主要自動車メーカー各社の決算情報が開示されています。2021年1月27日にはテスラの2020年第4四半期及び通年決算、2月4日にはフォードの2020年第4四半期及び通年決算、9日には日産の2020年度第3四半期決算とホンダの2020年第3四半期決算、10日にはトヨタの2021年3月期 第3四半期決算とGMの2020年第4四半期及び通年決算が発表されました。
次のグラフは、2020年10~12月期の四半期売上高の対前年同期比を示したものです。
対前年同期比増が顕著なテスラとGMは、北米や中国などでの販売が好調であったことが要因の一つと見ることができます。特に、テスラの地域別売上高は、2020年通年ですが、中国が対前年比223%、北米が同120%となっていて力強い伸びがみられます。2020年4~5月にコロナ禍の影響が底を打ったとするトヨタも日本、北米、欧州、中国での販売が好調で、新型車の市場投入が功を奏した格好です。
頭一つ抜けているテスラですが、第104回でも取り上げましたが、環境破壊から「人類を救済する」というイーロン・マスク氏の使命感のもと、「エネルギーを創る」「エネルギーを蓄える」「エネルギーを使う」という事業構造での重点戦略分野は①ソーラールーフ、②EVラインアップ拡大、③自動運転、④カーシェアリングです。テスラはこれらの分野で着々と事業を進めています。
とりわけ自動運転に関して、テスラはEV車両というハードを販売、それらの走行データを取得しているだけあり、テスト走行距離(Test Miles)はアルファベット/グーグルのWaymo、GM傘下のクルーズ、Uber、そしてアップルといったライバルを圧倒しています。
田中道昭