終末期の夫とともに〜頑張らなくていい時間を大切に〜
以前、「終末期であっても命を諦めきれない」
という記事を書きました。
それから1ヶ月以上が経ち、
夫には痛みや吐き気、
黄疸、腹水といった
さまざまな身体症状が現れ始めました。
夫はもともと弱音を吐かない性格です。
それでも最近は「不安だ」と言って
泣くことが増えました。
その姿を見て、「命を諦めない」という
夫婦の間で常に目標にしてきた
前向きな思いが
かえって夫にとってプレッシャーに
なっているのではないかと
考えるようになりました。
「諦めない」という気持ちは大切です。
しかし、それが「もっと頑張らなきゃ」
というプレッシャーに繋がり、
夫を追い詰めてしまうのでは
と感じています。
だからこそ、彼らしく過ごせる
残された時間を大切にするためには、
今こそありのままの状況を
受け入れることが必要だと気づきました。
夫の「不安」という思いそれは当然のことです。
この状況で何も感じない方が
むしろ不自然でしょう。
そんな中でも、自分の不安を
口にしてくれることに、
私は少し安心感を覚えています。
夫はもともと子煩悩な性格で、
子供たちと遊ぶのが得意でした。
我が家の3兄弟はみんな
「パパっ子」と言えるほど、
夫になついて育ちました。しかし、
この1ヶ月で夫と子供たちの距離が
目に見えて離れているように感じます。
子供たちが騒ぐと、
夫が明らかに不快感を
示すことが増えました。
夫にとって子供たちは喜びであり、
誇りでもありました。
それが今、彼の体調の悪化や
心の余裕のなさによって、
すれ違いが生じている
のかもしれません。
どうすれば、この限られた時間を
家族全員が少しでも穏やかに過ごせるのか。
私は日々考え続けています。
それでも、答えはすぐには見つかりません。
ただひとつ確かなのは、
夫の「不安」に寄り添い、
彼がそのままの自然体でいられる環境を
整えることが第一歩だということです。
夫はこれまでの人生の中で、
何度も「パパ」として
子供たちを守り、
楽しませてきました。
その姿は、変わらず子供たちの
心に刻まれています。
だからこそ、無理をさせず、
彼が彼らしくいられる時間を
大切にしていきたいと思います。