「肌色」の罠【色彩エッセイ#2】
無意識のうちに「肌色」という言葉をよく口にしてしまう。
「夕方になったら(ファンデーションがついて)マスクの内側が肌色になっちゃった!」とか、
「肌色のストッキングそろそろ買わないと!」
とか。
実はこれ、ちょっと気をつけないといけない言葉かもしれない。
「廃盤」になったクレヨン
今からおよそ120年前の1903年、アメリカのビニー&スミス社が『クレヨラ』というクレヨンの生産を開始した。当初はレッド・イエロー・ブルー・ブラックなど基本的な8色のみ発売されていた。
1950年代になると色展開は48色に増え、様々な色調を表現することが可能になった。しかし、この中で今は無き色がある。
それは「フレッシュ(Flesh)」である。
フレッシュとは英語で「肌色」を意味する。このような表記は、人種差別的を想起させるとして、1962年に自主的に「ピーチ」に色名を変更したという。(出典:クレヨン年間|クレヨラ)
多様性を象徴するバンドエイド
昨今は、多様性という言葉を巷でよく聞くようになった。
2020年、ジョンソンアンドジョンソン社がある発表をし話題になった。
多様な肌の色に合わせたバンドエイドを発売するという。
同社は、バンドエイドを1921年に発売してから一色のみであった。およそ100年かかってこのような商品が販売されたというのは、少し遅いような気もする。とはいえ、一歩前進である。
様々な分野でこのような配慮の意識が広がっていけばいいなと願う。
ピーチとは
系統色名 :明るい灰みの黄赤
マンセル値:3YR8/3.5
色名の由来:桃の果肉の色に似ていることから
いわゆる「桃色=桃の花の色」とは異なり、黄味がかっている。英語で色名として認知されるようになった歴史は古く、1588年の記録が残っている。(出典:Wikipedia)
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