
空間に漂っていた火の鳥 角野隼斗 ソロコンサート2025
先日、角野隼斗さんのソロコンサート全国ツアーが終了しました。
私は幸運にもチケットを手に入れられました。
前の方の席だったので初めて角野さんのお顔をはっきり自分の目で見られました。
写真や映像よりさらに彫が深くカッコよく見えて、これはファンが増えるわ!と思いました。
ぽっかり浮いた雲の中にその時の感情を閉じ込めておいたので、少しずつ言葉に変えて残しておきたいと思います。
クラシックは素人です。私の覚書です。
初めにおおまかな感想を、そしてあとは曲の紹介をしていきたいです。
=感じたことそのままに
グランドピアノとアップライトピアノとシンセサイザーが角野さんを囲むように置かれている。
その前には、太陽・月・地球の球体があり、アート的。
バッハやコーラル、宇宙が奏でている音なのかもと本当に錯覚するかのようだ。
そして、『胎動』の曲へ
小さな星が生まれたのか、それとも人間の赤ちゃんが生まれたのか、溢れ出す音の波に白い光が輝いて見えてくる。
私はピアノを聴きに来ているはずなのに、魂は宇宙を彷徨いながら音のする方に漂っている。
角野さんのコンサートは、ピアノコンサートというのとは違う気がしている。
音楽なんだけれど、アート。
インスタレーション(場所や空間全体を作品として体験させる芸術)的な、現代アートのような感覚。
空間自体がすでに作品になっている。
音響にもものすごくこだわり、ホールごとに細かい調整をしているそうだ。
クラシック一筋のピアニストからしたら、異色だからきっと色々な意見もあることだと思う。
でも、昔のベートーヴェンやショパンの曲はその頃の人たちは、私たちが初めてロックを聴いた時と同じような衝撃の感覚だったのではと思う。
だから、角野さんも湧き出るイメージや音をどんどん出していってほしい。
きっと「角野隼斗」さんを世界は求めていると思う。
どんどん広げていって欲しい。
私はソロコンサートもオーケストラと合わせたピアノコンチェルト時の角野さんのピアノの音色もどちらも聴きたい。
1人の時も世界観がすごいが、大勢のオケの人たちと合わさった音は、どうなるのだろう?とこれもわくわくさせられる。
結局どちらも最高なのだから。
話がそれました。すみません。
今回は曲と曲の間を即興でつないでいる。
たぶん毎回違う。音が生きている。
だが、心地よく次の世界へ導かれていく。
CDとは違うアレンジもここかしこに出てきて、音が新しく生まれている。
最終曲の『火の鳥』🐦🔥は圧巻!!!!!
体中が揺さぶられる感動!
コンサートホールの天井に巨大な火の鳥が飛んでいたと思う!
角野さんの音は押し付けがましくなく、ただただ一音一音が透明で心にストンと入ってくる。
純粋な、透明感のある音なので、とても癒される。
唯一無二のピアニスト。
ここから人生積んでいくと、どんな音になっていくのだろう。
長生きして聴かなきゃ!ね。
それでは、コンサートの曲の紹介をしていきます。
=[HUMAN UNIVERSE]

今回のプログラムは、上から下へ順番に演奏される一般的なコンサートとは少し異なります。副題でくくられた3曲のセットには決まった順番がありません。
その日の演奏ごとにランダムで順番が決まります。・・・
プログラムの曲の紹介は写真の通り、すごく変わっています。
プログラムのご自身の言葉が、すごく丁寧に今回のテーマのことを的確に書かれていて、わかりやすいです。
文章力、読みやすい文章、そういう点も好感度大です!
舞台は、コの字型にグランドピアノ、アップライトピアノ、シンセサイザーが置かれていました。
角野さんが会場に現れピアノに座った時、みんなの目と耳と心がぎゅっと一点に集中しました。
それを柔らかく音で弾き返し、ホールの空気感を、わずか一音で変えてしまう。
すごい、すごい、なんなんだろう。あっというまに宇宙へ~~。
=●Introduction
Human Universe の曲で遠くから聞こえてくるような音で始まりました。
=●バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV 903
バッハの曲は宇宙がすごい速さで産まれ始めたかのような感覚がするのです。
丸い球体が舞台にあり、赤は太陽、黄色は月、青は地球を表しておりその曲に合った色の球体の色が付くようになっています。
いつもながら、面白い仕掛けをされますね。
シンプルながら、世界観がある。
="A Call Beyond" 意味:超越した呼びかけ
宇宙のはるか何億光年の彼方へ連れ去られるような感覚です。
☀️坂本龍一:solali
CDよりさらに深みを感じます。
シンセサイザーの使い方もピアノと合わせていくのも自然で、なんて素敵。
アレンジ(即興なのかな)力もすごいです。
毎日違うのでしょうか。
故坂本龍一さん、空まで届いていますか?聴こえているかな。
🌏ハンス・ジマー:Day One
宇宙の彼方を漂い始める感じ。無重力状態です。
この辺から曲の順番がよくわからないのですみません。
🌕バッハ:コラール前奏曲
全て即興で曲と曲がつながっている感じです。
〇角野隼斗:胎動
この曲は、新しい星の命、生き物の命の循環の始まりを感じます。
いつ聴いても、華やかで美しく生命力に満ちた曲です。
=”Celestes” 意味:空の、天上の、神の
順番怪しいです・・・
🌏メシアン:高き御空の眼差し-幼子イエスにそそぐ20の眼差し第8曲
☀️フォーレ:イン・パラディスム《レクイエム》Op.48第7曲
🌕ドビュッシー:月の光-ベルガマスク組曲第3曲
ドビュッシーの月の光は、それはそれは美しいピアノ音♪
月の光が角野さんの元に一筋輝いて降りてくる感じでした。
空(宇宙)の世界の永遠の広がりも感じられます。
前半の締めくくりは、
角野隼斗:Human Universe
この曲は、大好きです。
バッハのような感じで始まり、だんだん現代曲のようになり高揚して盛り上がる。力強さ、広さ、大きさをとても感じ力を貰えます。
------------休憩------------
素晴らしすぎて、ため息しか出ません。
まだ後半があるなんて。
=”Three Nocturnes” ノクターン意味:夜の雰囲気の短い曲
🌏角野隼斗:Pre Rain
🌕角野隼斗:Once in Blue Moon
☀️角野隼斗:After Dawn
この3曲は角野さんの代表作となるノクターンかもしれません。
特に「After Dawn」生で聴けたことに感動。
心がゆりかごの中でゆっくり揺さぶられ、新しい世界が広がっていくのです。
明けない夜はないです。ある意味希望の曲。
そこからは、【循環】を感じさせる曲たち
●スクリャービン:ピアノソナタ第5番Op.53
初めて聴いたので、すごすぎてついていけてなかったかも(予習が足りない)
●ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
アップライトピアノの優しい音色に溶かされました。
●ストラヴィンスキー(アゴスティ編):火の鳥
凶悪な踊り
子守歌
終曲
『火の鳥』は、ど迫力で、ホール全体が巨大な火の鳥に包まれました。
拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーション!
アンコールは
すみませんが、場所が割れるので書きません。
ラヴェル/ボレロ はもちろんありました。
火の鳥 の後にこの曲が弾けるのは凄すぎませんか?
ブラボーブラボー!! なのでした。
とにかくお体に気を付けて、今年も突き抜けて行って欲しいです!
とてもとても癒された時間をありがとうございました♡
つたない感想に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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