料理代行人のジレンマ
まずはじめに。
私はお節介焼きです。
道で誰かが困っていたら声をかけてしまうし、誰かが困っているオーラを出していたらついうっかり「私がやりましょうか?」と発言してしまう。
この前珍しく都会に出た時に、危うく無許可でお菓子を売っている外国の方に捕まりそうになったくらいにはお節介焼きである。
そして私はフリーランスの料理代行人をしている。
無限にお節介が焼ける素晴らしいお仕事。
ご家庭に出向いて時間内ひたすらに調理をする過程でおしゃべりもする。
数年お付き合いがある方ばかりなので、少々込み入った話もしたりする。
残念ながら私はカウンセラーなどの特別その道に精通した何かはないので、ほとんど聞くことしかできない。
できないけれども、そこはお節介焼き。ついつい自分の意見を口にしてしまうことがある。後に大いに反省する。
しかししかし、お客様も優しいので素直に受け取ってくれたりする。そうすると調子に乗ってペラペラご高説を垂れてしまう。
また反省するが、もうどうにも直りそうにない…。
気持ちの面で共感しすぎるあまり、物凄く行動したい衝動に駆られてしまう。
流石にそれはやりすぎだと理性が働くので我慢できるが、もどかしい気持ちをどうしても持ってしまう。
子供のこと・夫婦のこと・親族のこと・将来のこと・過去のこと・生活のこと
本当に様々なお悩みを信頼して話してくださるその気持ちを、決して裏切りたくないから。
この先も、お客様として信頼を寄せていただいていることを自覚し、律していかねばと思う反面、お節介焼きが我先にと顔を出す自分と一生付き合っていくのか?と、昭和の言葉を借りればまさにトホホ…状態です。
そんな関係性のジレンマも抱えつつ、本業である調理についても実はジレンマがある。
これは私の料理人としての無駄なプライドがそうさせる。
職人になりきれなかった哀れな私は、いまだに中途半端なプライドに振り回されている。
それは【出来立てを食べてほしい】という押し付け。
今の顧客様は【日々の生活をするため】に料理代行のご依頼をしていただいている。
だから、あくまでお料理は保存性のあるものが好ましいし、冷めていても特に問題はない。
しかし、当方では消費期限を1日と定めていて、所謂作り置きはしない。
時間いっぱい調理はするが、その先はお客様の自己責任とさせていただいている。
この規約は食品衛生法に基づいた、プロとしての判断なのでプライドではないのだが、やはり【自己判断】の部分を気にしてしまう。そこが無駄なプライドの部分。
お料理は出来立ての状態が一番美味しいし、基本料理人は出来立てを目標に仕上げていく生き物。
お客様からの指示で冷蔵するにあたり、粗熱を取るため陳列していくお料理たちを見ると、今でも心がチクッとなったりする。
分かってはいたが改めて書き連ねていくと、私は大概面倒臭い人間であるなぁと結論に至るのであった。
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料理代行6年目
地方(三重県)で独立開業
主婦で母
年間3600品調理
予約の取れない料理代行人【北村光穂】がお届けする
料理代行に興味がある方
家庭調理でキャリアを積んでいる主婦さん
料理人と栄養士(特に女性)の新しい独立の形
料理代行人として迷い悩まれている方・仲間が欲しい方に向けて各発信中
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