アロマンティックな彼
アロマンティック、という言葉を初めて聞いた。
ロマンティック。という言葉に、打消しの意味の「ア」をつけて、ロマンティックじゃない。という意味、つまり
「他人に恋愛感情を抱かない」特性をもった人の事を言うらしい。
他に、アセクシャル、というカテゴリーも存在するらしく、これは「セクシャル」に、否定の「ア」をつけ、「性的欲求を感じない特性」という事らしい。
アロマンティックの特性は「恋愛感情は抱かないけど、性的欲求は抱く」という事らしくて
この観念を知った私は、真っ先に、JO君の事を思い出したわけだ。
JO君と私は、とても素敵で楽しい時間を沢山共有し、感覚も似ているし、もちろん好きって思うけど、彼に言わせると「好きとかわかんないです」って事らしくて
私もそれを受けて「好きってなんだろう」って思ったりもしたが、今んとこ私自身も「恋」という感じでもなく、友達や子猫や素敵な風景が好き、お寿司好き、この歌好き。という感じに似た「好き」であって、胸を焦がすような感じでもないし、彼を独り占めしたい感じでもなくて「ねえ私たちの関係っていったいなに?」とかも思う事なく今日まで過ごしてきていて。
なるほどな。あえてカテゴライズするならこういう事かあ。と思って。
JO君に連絡を久々に取ってみた。
「ねー、これってJO君じゃない?」
「そうっすね(笑)」
「え、知ってた?」
「知らなかったです」
「なんかさ、めっちゃ納得して、スッキリしたわあ!!!!」
「そうっすか(笑) 僕はとくに、朝のTVの占いに当たった、くらいしか思いませんでした!やはり人として何か欠落しています!」
というサイコパスな会話をしたのであった。
これだけ情報化が進んだ社会で、何か「あれ?」と思う事があれば、秒でグーグル先生が教えてくれる世界。
私ってオカシイの?って思ったとき
昔だったら、半径300メートル以内に、自分と同じ人がいなかったら、ああ、私はオカシイんだ・・・って自分を責めるしかなかった。
というか、「自分がオカシイ」って事にも気が付かず、ひたすら自分を閉じながら、周りに合わせてるうちに、たぶん寿命で死んでた。生きにくい一生を生きて。
辛かったり悲しかったり苦しかったりしながら、一生を生きたかもしれないね。
私で言ったら「複数の人を好きでいられる」(少し前までは、好きになってしまう・・・という言い方をしていたが、モノガミーの人達を観察していて、「好きになれる、好きでいられる」が、しっくり来た。)
今はどう?
ええ!?世界にはそんな概念があるんだ?って
ああ、そうなんだ! 私だけじゃないんだ!
って
知れるって、なんて自由な世の中になったんだろうね。
風の時代、ありがとうって思う。