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「顧客課題が重要!」は本当か? ~新規事業伴走メンタリング⑯~

メルセネール・大道寺です。
今回は新規事業開発の全体的なプロセスと、各プロセスの重要性に関して取り上げたいと思います。


「顧客課題」が一番大事という話

多くの企業で新規事業のメンタリングや、新規事業のノウハウをお伝えするセミナー等をさせて頂いておりますが、その中で必ずと言っていいほど、

「弊社は顧客課題が捉えられていない」
「だから『顧客課題』の重要性をしっかり伝えて欲しい」

というお話を頂きます。

もしくは、メンタリングにあたって、「顧客課題が何よりも大事であることを伝えて育成して欲しい・・・」というご依頼です。

そもそも『顧客課題』の定義が何なのか?という話はあるのですが、それは置いておきます。

ただ、あまりにもこの「顧客課題」を優先させ過ぎでは無いか・・・というのが今回のテーマです。

顧客課題は間違いなく大事だとは思っていますが、そもそも一般的にその視点が強く取り上げられるようになったのは、『リーン・スタートアップ』がキッカケかなという印象です。

(もう10年以上前の著作なんですね。。。)


初期段階で想定する顧客と、その顧客が言う課題認識に捉われたまま、頭が固まってしまうという状況が多々見られます。

「検討のキッカケとなった課題認識は理解できるが、そもそもそのテーマって・・・」というケースが増えてきている印象です。

事業開発組織だと上司、公募型プログラムだと事務局の方々が、「顧客課題」の重要性を強く押し出し過ぎてしまう結果、このような状況が多発しているのでは・・・と感じています。


実は成功と失敗の差は”課題理解”では無い・・・

そこで、このテーマに関して調査をしました。

リサーチ対象は以下です。

  • 従業員数300名以上の会社に所属

  • 直近3年以内に新規事業に携わった経験がある

この条件に当てはまる人へ、『新規事業開発のプロセスにおいて重要だと思うものをお答えください(複数回答可)』とお聞きしました。

その結果が以下となります。

※出所 メルセネール調査


  • 緑のバー:黒字化達成事業

  • 赤のバー:赤字もしくは既に撤退事業

各プロセスを見た際に、成功/失敗の分岐点は『事業環境の理解』ということが明らかに見えてきます。

『顧客課題』が重要であることに異論無いと思いますが、そもそも対象となるテーマや事業環境の基礎理解が無いままに、顧客課題を理解することの効果は弱いということではないでしょうか。

誰かの悩みや課題認識を基点に検討を開始することはよいのですが、一度客観的な視点で市場や事業、テーマの理解をすることが大事かと思います。

更には『事業環境理解』においても、何を見るべきか?、知るべきか?は気になるところかと思います。

この点も調査をしておりますので、その結果と併せて改めてnoteにまとめる予定です。


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