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無節操観~もっと自分には何かできることがあるのではないだろうかと思うこと

 いわゆる一般の人と比べれば、僕はSNSを使い、情報を得たり、それを二次発信したり、思いついたことを詩にしてみたり、考えをまとめて論じてみたり、疑問を投げかけてみたりしながら音楽や小説といった創作をしている。
 おそらく特殊な方の人間なのだと思う。

 しかしそんなことは上を見ればきりがなく、どこを見ても新しい景色ではないと思う。
 特殊であっても特別ではない

 もし特筆することがあるとするならば……それは無節操なことだろうか。

無節操観

 無節操とは節操の反義語であるから、まずは節操とは何かといえば「正しいと信ずる主義・意見を堅く守って変えないこと」となり、反して無節操とは「一貫した行動基準を持たない様子、貞実でない様子などを意味する言葉」となる。

 ここにあえて造語を展開してみようと思う。それは「無節操観」である。

」は「みる。 よく見る。細かく見る。 広く見る。見渡す。 ながめる。見物する。 観賞. かんがみる。 · しめす。みせる。 観艦式 · ありさま。様子。 ながめ。」となるが「ものの見方」という意味で「節操のないものの見方をすること」を無節操観としてみようと思う。

 ゆえに僕は絵画について知識はなくとも、ないなりに調べ、感じたことを論理的にまとめて思ったことをこうした場に書き記すことができる。これは特殊であるのかもしれない。

 自分のフィールでない物事に対しても自分なりに接し、感じたことを「感想として述べる」のではなく、なぜそう感じたかを調べ、ある程度自分の中で理論を形成し、考えを述べつつ思ったことを書く。
思うとは感じるとは違う。「考える」とも違う。思うは抽象的な結論であって、わかりやすい例であげれば、面白いかつまらないか、楽しいか辛いか、うれしいか悲しいか、そして好きか嫌いかである。

 感じるはセンサーにどう反応するかであってそれは「直感」に近く、感想とは、直感と思うを交じり合わせた抽象的結論を論理的に述べることであると考える。これはたぶん正しい。

 ゆえに「無節操観」とは、どんな物事にも関心を持ち、そしてそれらを突き放して、無作為に目の前に現れた事象について接することで、何にもとらわれず、何にも迎合せず、目の前に出された食事を摂取して毎日排出するような日常を繰り返すことだと定義する。

 しかしこれはかくいう僕も完全に「無節操観」に身を委ねることはできない。なぜなら僕は同時に何かに執着をしないでは落ち着かないという癖があるからだ。

達観」という言葉がある。「細かい事に迷わされず、道理・真理を見きわめること。また、物事にこだわらず、どうなろうとも動じない心境になること。」をさす言葉だ。
 正直に言うと好きではない。なぜなら僕には好奇心があり、達観はそれを邪魔する。道理を見極める前に興味を持ったものに触れてみたり、眺めてみたり、こすってみたり、口にしてみたり、感じてみたいのだ。

探求」は必要であるが、それが目的ではない。時間は常に限られている。僕はたぶん無節操に様々なものを摂取し、租借し、自分が知りうる限り、自分の手の届く範囲の世界を理解し、折り合いをつけ、辻褄を合わせながら自分の世界はこのような形をしているのだと納得して生を全うしようともくろんでいるのだと思う。

 ここからが本題。

 そんな僕は「もっと自分には何かできることがあるのではないだろうか」という問いである。

誰かの、或いは何かの役に立つこと

 自分の五十数年の人生を振り返ったとき、そこにいるのは何かに頼られていたり、任せてもらったりしている、つまり誰かに必要とされているときの充実感を優先して生きてきたのだとわかる。
 本人が言うのだから間違いない。

 そして同時に無節操にあれこれ手を出す僕がいる。口だけ出すということはしない。しっかりとした体験を伴い、そこから学びもある。そして決して継続しない。どこかで踏ん切りをつけるか、ほかに興味が映る。

 つまり何かを成し遂げるとか、そうしたことにあまり関心がないのだ。だから形として残るものは少ない。

 昔「ミス・ユニバース」というコンテストがあった。その茨城の大会の事務局に席を置いていたことがある。手伝ってほしいと言われて「面白そう」と思い、1年半ほどこの座組で様々な経験をした。

 たまにはこうした形にのこるようなこともあるが、そういうものを選んで手を出しているわけえではない。

 去年、京急蒲田に友達がカラオケスナックを出店した。そこに至るまで様々な形でサポートしたし、その店のWEBサイトを作った。彼女とはほかにもいろいろなことでアドバイスを求められ、形になったもの、そうでないもの、失敗したもの、いろいろあるが、どれも僕が主体ということではなかった。

 そうなのだ。なにかできることとはつまり僕が主体で何かできることはないだろうかと、そう思うようになっている。

音楽イベント「めけソニック」の開催

 今から10年前、まだYou Tubeがライブ配信を始める前、USTREAMというライブ配信サービスがあり、そこでつながったアーチストを全国から集めて東京町田(神奈川ではない!)のライブハウスでイベントをやったことがある。
 2015年2月14日に町田WESTVOXでめけソニックを開催。演者は8組。その模様を録画したDVDも製作した。100名近いお客さんが日本全国から集まった。
 弾き語り、アイドル、ロックバンド、アコースティックからテクノまで様々なジャンルのアーチストが集まった。

 正直に言おう。とてつもなく楽しかったがとてつもなく大変で、結果としては失敗だった。何が失敗かと言えばマネタイズができていなかった。
 アーチストには交通費以外は無償で出演してもらった。クラウド・ファンディングを利用し、グッズも作った。ポスターもデザインを依頼してかなり本格的なイベントの体裁を整えた。
 表面的には成功であったし、当時目標としていた数字はある程度クリアしたが、継続してそれを何回もできるようなイベントではなかった。

 この経験はのちのミスコンの事務局を手伝ったときに役に立った。2023年に「KI-ME SONIC」という音楽イベントを開催し、今年2月1日、あのときできなかった連続したイベントとして「KI-ME SONIC A」を開催する運びとなった。

 ある意味リベンジであり、自分ができること、経験を活かした結果としてのイベントである。
 そしてだからこそ思う。まだ、何かできることはないだろうかと。

KI-ME SONIC A

 ツイキャスというライブ配信サービスがある。僕は「めけラヂオ」というライブ配信番組を10数年日曜の夜9時半からやっている。youtubeと同時配信を始めたのは……覚えていないがたぶん6~7年くらい前からだと思う。
 僕の音楽仲間でありパパともの「きっくん」が僕の配信をみて自分でもやってみようと思ったのが日曜夜8時からツイキャスでやっている「きっくんラジオ」である。
 KI-ME SONICはそれぞれの推しアーチストをお招きしてみんなでライブを愉しもうという企画だ。
 おかげさまで1回目はイベントとして成功をした。マネタイズは完ぺきとは言わないまでも、失敗ではなかった。
 しかし2回目というのはなかなか難しい。間に別のイベントをやり、いろいろなデータを取った上での2回目のイベント開催が成功するかどうか、今のところ危険領域を脱していない。
 もちろん手立ては打ってある。こんなこともあろうかという策は講じてあるから失敗はないだろうと思っている。

 しかし、そこではないのだ。僕の中でイベントの成否とはマネタイズは重要だが、そしてそこでお客さんに楽しんでもらい、アーチストに気持ちよく演奏してもらうことはマストであるが、それだけではないのだ。

チケットは下記サイトより予約販売承っております
https://t.livepocket.jp/e/vv_5f

 今回、自分が何に一番わくわくしているかといえば、それはスペシャルゲストの種岡康裕さんが長いブランクを経て音楽活動を再開し、久しぶりにお客さんの前で演奏を披露してくれること。
 そしてnoteで往復書簡をやっている松永ねるが「neru cafe」をオープンしてイベント・オリジナル・コーヒーを用意してくれていること。

 彼女のnoteを読んでもらえれば、これまでどんな流れでこうなったのかはなんとなく読み取って頂けるかなと。
 純粋に音楽を愉しむというだけではない思い、それはかなり勝手な思いかもしれないのだけれども、手の届く範囲の人にできるだけこうした場を提供することができるのであれば、僕はきっとそれだけで「これでいいのだ」と思える。
 そしてこうした場を作ることが「なにかできること」の一つではないかと思い始めています。

 だからまだやれる。
 もしかしたら今度は音楽がメインではないことで、何かできることがあるいかもしれない。

 僕は僕に期待をする。プレッシャーをかけ、それに耐えられるだけの何かを無節操にこれまで摂取してきたのだと思う。

 これが無節操観がもたらす僕の世界。僕が見たい世界なのかもしれない。

 どうかそれにうまいこと巻き込まれて、何か一つでも良かったなと思ってもらえるのなら、出演者にもスタッフにもお客さんにも、僕はまた会いましょう、またやりましょうってなるのだと思う。

 きっとそうなる。

 まだお席が若干あるようなので、ぜひ遊びに来てください!

 あっ、僕は本業は元ゲーム開発会社の管理部長で現在は医療系のシステムエンジニアなので何かご依頼があれば・・・というくらい無節操なのである(笑)

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