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【ベトナムの果物】ザボンの皮の驚くべき利用法

ベトナム語ではBưởiと呼ばれるザボン。食べ頃は皮の色が緑から黄みがかってくるころだと、以前訪れたビエンホアのザボン村の店員さんから聞いた。食べ頃を逃してしまうと、果実のみずみずしさが失われて、ぱさぱさ感が強くなる。早すぎると甘味が少ない。

何日間かオフィス内の棚の上に置かれたままのザボン。食べ頃を迎えて、スタッフが慣れた手つきでナイフで皮を剥いていく。

剥いた後の皮を持って帰りたいと言う子がいた。それをどうするのかと聞くと、髪の毛に良いんですとのこと。皮を水で煮だして、髪につけてマッサージするらしい。

まだ20代の若い女の子なのに、市販のヘアトリートメントではなく、果物の皮を再利用してヘアケアをするんだと感心する。

たしかにザボンの皮は分厚くて、その一個に対して皮が占める割合が大きいから、捨ててしまうのはもったいないと感じるのは分かる。

薄い緑色の皮と実の間の厚みのある白いスポンジ部分は食べられるようだ。ザボン村のレストランで、この部分の天ぷらを食べた。このスポンジ部分に特別何か味があるわけではない(少なくとも私にはあまり味は感じられない)ので、ほぼ油と衣の味、コーンドッグの衣部分だけを食べているような味だった。

ザボンの皮の天ぷら

ベトナムスイーツのチェー(chè)にもそのスポンジ部分が使われる。先日、おやつにchèを注文するので好きなものを選択してくださいと、スタッフにデリバリーアプリを開いたスマホを渡された。正直私はそんなにchèが好きではない。だからプリンを選ぼうかと思ったが、それを注文するのは空気が読めていない気がして、とりあえず豆のchèをカートに入れる。スタッフは私のオーダー品を確認すると、それは美味しくないからこっちにしてください、これがおススメです、とザボンのchèに変えた。それなら最初から私の注文分も選んでくれればいいのにと思ってしまう。

ザボンの果実にココナッツミルクがかかっているものが美味しいのかと疑っていたが、手元に届いたchèにはザボンの果実らしきものは入っていない。代わりに長細い半透明のものがたくさん入っており、それがザボンの皮のスポンジ部分からできていると教えてもらう。やっぱり何か味があるわけではないので、おそらくそのキシキシとした食感を楽しむためなのかもしれない。

ザボンの果実自体は好きなので、何度か自分でも買ったことがあるけれど、厚い皮を剥き、実を包む薄皮を剥ぎ、その実を口に入れるまでにそこそこ時間と労力がかかるので(慣れていないからかもしれないが)、その皮の活用までは、めんどくさがりの私にはできないなと思ってしまう。


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