小1に教えてもらう
mixi日記(2006年)より転載
昨日、指導にいった家庭でのこと。
中1の男の子を教えているのだが、今年から小学校一年生のかわいらしい妹がいる。いつもぼくがその家に伺うと玄関に出てきてぺこりとお辞儀をして
「こんにちはー。」と笑顔で挨拶をする。
中一の男の子をぼくが教えている間、お母さんもその妹さんの勉強をみているようで声が聞こえてきた。
「2と3で?」
「5でしょ!」
「4から1とると?」
「3よ!3!この前もやったでしょう!」
お母さん、怖い……
指導後、お母さんと少しその話をしてみた。
「あの、妹さんの勉強をさっき見てたんですよね。」
「はい。あ、怖かったですか?私!」
「ええ、結構びびりました(笑)」
「あー。ついついイライラしちゃうんですよね。
このまえもやったのにできてなかったりとか。」
妹ちゃんにも話かけてみた。
「ねえ、さっきは何の勉強してたの?
ちょっと俺に教えて。さっき勉強してたこと。」
妹ちゃんはさっき、やっていたプリントを使って考え始めた。
妹ちゃん:
「えーっと……これは5つと6、7でしょ。
だからここに7って書くの。
それから……こっちは5つと6、7、8、9。
9だからここに9。」
私:
「先生!これはなんなの?教えてください!先生!」
妹ちゃん:
「それが5なの。
だから、それとここに3つあるから、これは8になるの。」
私:
「なるほどなるほど。」
妹ちゃん:
「次はね……」
上機嫌で話が止まらなくなった妹チャン。母親がもういい、と説明を終わらせようとするのだが、そんなのは聞こえないフリをして無視。彼女はその日に勉強したプリントの内容を全て一生懸命きっちりと指導してくれた。
さっきまでは、あれほど母親から
「やる気がなくて困っちゃう」
と言われていた子なのだが。
妹ちゃんにはプチ先生になってもらうこのやり方がかなり合ったようだ。
人から教わるよりも人に教える方が高度な理解が要求される。教わっているときは受動的で頭の回転もとまりがちだが、教える側にまわると、急に能動的に頭を動かし始める。
人から物を教わるより、人に物を教える方が気持ちがいいしね。