謎の感染症によるロックダウン「ラスト・デイズ」
コロナ禍で、感染症パニックものを数本見ていて発見した映画。外に出ると死ぬ感染症に侵された人類がひたすら外に出ないで生活する。これからの世界を予言している映画!?
アメリカでは、コロナ禍の中で銃の売り上げが上がっていると言われる。ひとたび、感染症でも、暴動でも、自然災害でも、社会の枠組みが壊れたところから、無秩序状態が始まるとこの世界は恐ろしい場所になる。さすがに、この映画の設定はあり得ないと思いつつも、1年前には、今の生活(コロナ禍によるロックダウン)なんて想像もしなかったし。
ラスト・デイズ(あらすじ)
原因不明の感染症なのか、集団ヒステリーなのか。感染者は外に出るとパニック症状を起こす。そして、心臓発作になり耳から血を流して死んでいく。やがて街中の人がだいたい感染し、都市の機能は完全に麻痺。人々は地下やショッピングモールの中で、何か月も暮らしている。主人公のマルクは恋人と生き別れており、彼女を探すために、下水管の中を通ってひたすらロックダウン中の街中を歩き回る(外に出ないようにしながら)
本物のロックダウンを味わう
何が原因か不明の感染症なのだけれど、外に出ると死んでしまうというのは皆分かっている。誰も外に出ることができない(建物の中しかいられない)ので、数か月のロックダウン生活のうちに、水やガスなどのインフラもストップする。食料品も届かなくなり、室内で捕まえたハトやネズミを食べて命をつなぐ人たち。SFの世界ではあるが、コロナ禍でロックダウン中の都市が出てきていることを考えると、あながち笑うこともできない。
コロナ禍になってから「エッセンシャルワーカーがいるおかげで~~」という言葉をテレビでよく見るようになった。しかし「外に出たら死ぬ」という種類の感染症の場合、仕事のために使命感で外に出ようとする人はいなくなるだろう。やがて社会生活は麻痺するかもしれない。今ならロックダウンだけど、宅配で食事を頼めばいいか・・となるけど、宅配業者さえいなくなったらどうするか。何を食べて命をつなぐか。
コロナ禍の中で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に人々の希望が集まっているが、デジタルは結局、仮想の世界だ。食べるもの、飲むもの、着るものがないと人類は何もできない。
そんな現実を突きつけられる気がした。
感想まとめ
スペイン映画には、独特の雰囲気がある。ハリウッドものとは全然違う。完全な消化不良で見終わったけど(苦笑)本物のロックダウンとは、どういうものかを考えながら見ていたら想像力は湧き立った。
コロナ禍の中で、1~2か月で世界はすっかり変わってしまうというのは実感した。今後、何があってもおかしくない。もし、新型コロナが強毒化するようなことがあったとしたら、本当に外に出ることさえ、ままならない時代になるかもしれない。その時に備えることなんてできないけれど、何があってもおかしくないということだけは覚えておこうと思う。
ただ、映画としておすすめできるかというと、かなり微妙なところだった。