コロナ禍における航空機業界の実情 目撃にっぽん:「試練の翼〜ANA・社員たちの苦闘〜」
世界的なコロナ禍の中で航空機業界が追い詰められているのは、よく分かる。コロナ禍のあおりを、もろに受けている業界なのは間違いない。以前のドキュメンタリーでも、この状況が描かれていた。
航空業界の最近の状況を知りたくて、過去3か月、ANAに密着取材したドキュメンタリーを見た。うん、まだあんまり変わらないかな。なんといっても、コロナ禍は世界中で再拡大している。こんな時代に航空機需要が回復するわけがない。ANAにとっては耐える時期が続いているが、どこまで耐えればいいのか。誰にも出口が見えない。
激減した国際線
ANAの中でも、ネットワーク部という国際便の線や本数を決める部署を中心にした視点。なかなか、他では見られない航空機業界の様子が見えた。コロナ禍以前には毎月5000便飛んでいた国際線が、現在は9割減だ。そもそも日本企業の8~9割が海外出張を取りやめている。需要が激減している中で、国際線を増やすのは難しい。
ANAとしては、安定して飛行機が飛んでいるというインフラであり続けることが使命だ。しかし、コロナ禍の現状では飛んでも採算ラインに乗らないので、本数を削減しなければならない。ネットワーク部はこのジレンマの中にいる。担当者は「飛行機での移動がなくなることはないので、今は耐えるしかない」と語るが、いつまで耐えればよいかが分からないのが辛いところだ。
海外旅行ツアー企画部
今回の番組の中で、もうひとつスポットライトが当たっているのが、海外旅行ツアーを企画する部署だ。特にハワイ旅行を企画する男性が紹介された。本来であれば夏はかき入れ時だが、今年に限っては売り上げがゼロになった。コロナ対策のため、ハワイが海外からの受け入れをストップしたからだ。それでも、企画は止めるわけにはいかない。
ハワイ便が回復した時に備えた、コロナ対策を万全にしたツアーの企画を練り始める社員たち。実現するかどうか分からない時に向けて作る企画ってのは辛いだろうなぁ。10月にはホノルル行きの便が、月2便回復した。これが希望の灯になるだろうか。とはいえ、この部署は3割社員が削減されて、配置転換が行われたという。まだまだ、ツアー旅行の売り上げが回復する未来は見えない。
感想まとめ
現在のコロナ危機は、観光業・航空機業界、、海外への移動を前提にしたビジネスに大打撃を与えている。しかも、現在、日本でさえコロナ感染第三波の真っ最中。売り上げの回復は見えてこない。まさに「ジリ貧」状態。どこまで持つのか・・。巨大すぎる航空機業界、ビジネスモデルを変えるといっても限界があるだろう。大きな会社も、小さな会社も、本当に大変だ。