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クローズアップ現代+「障害気づかず大人に生きづらさを抱え続け 支援にどうつなぐ」

コロナ禍の中で、多くの人が雇い止めや派遣切りなどで仕事を失い、行政の窓口などに押し寄せるようになっている。それがひとつの要因になり、これまで見過ごされてきた中高年の知的障害・発達障害にスポットライトが当たるようになってきたという。このNOTEでも発達障害(ADHD)と働き方は、主なテーマでもある。関心を持って、この特集を見た。

見過ごされてきた発達障害

平成26年度の厚生労働省調査によると、発達障害と診断されている人は48万人を超える。年代別の内訳を見ると、10歳未満~20代が10万人前後ずつで最も多い。しかし、50代以降は非常に少なくなっている。つまり、これは中高年の発達障害が見過ごされてきたことの証拠ではないかというのだ。

2004年に発達障害支援法が成立する以前に子供だった人の多くは発達障害の診断を受けていない。また、多くの場合、発達障害はうつ病や不安障害などの二次障害を引き起こし、その病に隠れてしまってなかなか診断がつきづらくなっていたと言えるようだ。発達障害の概念が広く知られるようになったのは最近のことだ。

特に、グレーゾーンに当たる人たちは、生きづらさを抱えたまま診断を受けることもなく、現在に至ってきたのではないかと考えられる。

生きづらさを抱える人たち

56歳の及川さんは、仕事に就くたびにつまずき、転職を余儀なくされてきた。及川さんが特に苦手なのは「算数」だ。急いで計算をしないといけないような状況ではフリーズする。「算数障害」(LDの一種)だったのかも。

実は小学校の時に発達が遅いのではないかとみなされて、特別なクラスでの教育を受け始めたが、他の分野では普通なので、先生から「怠けている、努力不足」とみなされてしまった。そして、通常学級に戻されてしまったのだ。そこからは、生きづらさを抱えつつも、何とか「普通」の社会についていこうと必死の生活だった。

しかし、10回以上の転職を繰り返し、うつ病になり仕事をする気力を失った。コロナ禍で就職の相談に訪れた窓口で、知能検査を勧められ「軽度知的障害」であることが、初めて分かったのだ。特に大変なのは、外見からはなかなか分からない障害、グレーゾーンの人たちだろう。

適性のある仕事を見つける

もし、早めに障害を見極めていたら、自分に合わない仕事(適性の無い仕事)に就き続けて苦労することはなかっただろう。及川さんは、パン屋さんに勤めた時にはパンの名前(カタカナ)をどうしても覚えることができずにミス続きで退職したらしい。

できない(向いていない)仕事に就いちゃうからだよ・・・と思うんだけど、そういうアドバイスをしてくれる人がいなかったのだろう。「自分は何もできない」と思い込んでしまったのだろう。私の友人の女子でも、ハチャメチャなADHDの子がいたが、接客業(カフェ)などを好んでバイトしていた。しかし、どこでも信じられないようなミスを繰り返し怒られてクビになるのだ。こういう人の場合は「障害」があるという事実を知ることが、もっと楽に生きる一歩につながるだろう。

静岡県富士市の就労支援窓口では30項目のチェックリストをもとに、本人のできること、できないことを明白にしている。その上で、本人ができる仕事を提供している協力企業とつなげている。ある協力企業は「業務分解」というシステムを設けて、できる仕事を切り分けて(パート化・細分化)障害を持つ人を雇用している。

発達障害の場合はどれだけ本人の特性と仕事がマッチしているかが大事だ。

感想まとめ

この番組では、発達障害関連ではおなじみの内山登紀夫氏が出演していたが、とても含蓄のあることを言っていた。周囲の「理解」が大切というシーンでの発言だ。

「努力より工夫が大事。少しの工夫で本人の能力を発揮させるのを『理解』と言う。」

発達障害の場合は、残念ながらできないことはできない。でも、ちょっとした工夫でできることもある。それは、視力の低い人に眼鏡をかけさせるようなもの。足の悪い人に杖を与えるようなものだ。互いに弱いところをカバーし合いながら、能力をフルに発揮できるような社会が実現したら、どれほど良いだろうかと思わずにはいられなかった。

綿樽剛の著書一覧

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq