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論理療法(REBT)「言葉定義法」を用いて誤った信念をD(論駁)する
自分自身の非合理的な考え方は、なかなか気づけないことが多い。他の人から見ると、「その考え方、極端だよね」と分かることでも、自分自身の場合はわからないのだ。そんな時、やってみたい方法のひとつが、自分の気持ちを書き出すことだ。曖昧な気持ちも書き出して形にすると扱いやすくなってくるはずだ。そして、使われている言葉の定義に注目していく。
言葉定義法
「これは、ラベル貼り歪曲にとくに効果的な技法です。非適応思考のためにつらい思いをしている来談者が、自分の使っている言葉をはっきり定義しようとすると、それが意味をなさなくなることがあります。」
心理療法入門 理論統合による基礎と実践 古宮昇 (著) (P78)
古宮氏は2つの事例を用いて、この技法を説明している。
CASE1:「バカ」
私は「バカ」だと述べ落ち込んでいるクライアントを助けるために、「バカ」という言葉を定義しなおしていく。何を「バカ」と定義しているのかを繰り返し述べさせるだけで、実際には、「バカ」が「最悪」ではないということを自ら悟らせるのだ。自ら「バカ」について、繰り返し説明しているうちに、クライアントは笑い出してしまう。
言葉定義法はユーモラスな側面がある。
CASE2:「無駄」
また「8年間の交際が無駄だった」と思い込んで落ち込む人に「無駄」の定義を述べさせていく。8年で経験した事柄をリストにして書き出させ、どういう意味で「無駄」と述べているのかをはっきりさせるのだ。結局、クライエントは最終的に「あの8年は貴重な経験だった」と述べるようになった。
非合理的な考え方に確たる根拠はない
覚えておきたい点だけれども、非合理的な考え方(イラショナル・ビリーフ)には、確たる根拠がないということだ。論理療法は、ひとつの裁判の場のようだ。自分の思考を検察側と弁護側に分けて戦わせる。自分を責める考え方は、心をえぐるので、まるで根拠があるかのように感じるのだけれども、それは感じるだけだ。
いざ、しっかりと根拠を提出させていくと、その主張はあっという間に崩れることが多いのだ。私もB(信念)を書き出す際に、よく言葉を間違って用いている自分に気が付くことがある。その際に、立ち止まって言葉の定義を確かめるだけで、誤った思い込みを論破できることに気づいた。
時には言葉の定義を辞書を用いて調べるのも良いことだ。少しでも違った観点から、物事を見られるだけでも、思考を柔軟にすることができるだろう。
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