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「寿司テロと承認欲求」1/3
毎日新聞 2023/2/28 朝刊の「火論」という大治朋子さんのコラムで(「すしテロ」の背景には)という検証記事があった。寿司テロとは、回転ずしの店で客が迷惑行為(犯罪)をして、自らその様子を収めた動画をSNS(ネット交流サービス)上に流すという例のアレだ。
「なぜそんなことをするのか。議論を深める必要がありそうだ」と彼女は言う。僕も同感だ。なぜなら、ここに社会構造的な問題がありそうだからだ。3回に分けて考えていくことにしよう。
彼女は、この検証に「米平和研究所」の報告書(2010年)を引用している。テロ組織に入った経験のある若者2000人余りに米陸軍幹部がインタビューした結果を分析したものだ。報告書によると、彼らには4種の欲求が見られるという。「スリル・冒険欲求」「承認欲求」「アイデンティティー欲求」「報復欲求」。
最初の三つは「すしテロ」にも通じる。動画を見る限り、彼らにはスリルを楽しむような、浮かれた感じがある。「いいね」やフォロワーが欲しいという承認欲求も強い。それを満たせば自分らしさ、つまりアイデンティティーを確立できるような気もするのだろう。
ではなぜそれほどまでに承認されたいのか?
次回、検証していこう。
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