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「オカンの話6」
オヤジの死が葬式デビューだった僕は、それまで知ることがなかった「人の死」とそれに伴う事務手続きを学ぶのです。遺骨とは写真のようなイメージ。でも、この量は都会の墓には多すぎるのです。
オヤジの骨の過剰在庫を抱えてしまった私は、処分のために船出をしました。淡路島に向かって。オヤジのルーツは淡路島にあるので、渡るフェリーの上から散骨するという不法投棄行為に及びます。だって、いつまでも骨、置いとかれへん。😢
「淡路島、散骨ツアー& 家族旅行」
散骨が目的で淡路島に渡るフェリーのりば。あと一時間でフェリーは出港します。その時オカンが…
「あ。洗濯機の上…」
まさかの奥村家の得意技「忘れ物」...
骨、なかったらただの淡路島旅行やん!
あらゆる感情を抑え込み、次善の策を講じて、数分、フェリーを離岸を遅らせて(まだ良い時代だったのです)、散骨完了(不法投棄の時効は5年です)
おそらくオカンにとっては今や「そんなこともあったかなぁ?」ぐらいです。忘れることに関しては、類まれなる才能を発揮するのです。
自分の都合の悪い記憶は破棄。自分が苦労したことは永久保存。これがオカンの本質です。
私はここで認めざるを得なくなります。私を育ててくれた親は、立派でなく、我慢強くなく、学識は元よりなく、ただただ素直で、その行為に悪気はない。そんな人間らしさだけの飾らないオカンなのです。ただ、こんな人間らしいオカンに、妻が振り回されることになるのです。
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![奥村一郎(メンタルパートナー、活動家、主夫)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141991994/profile_4bf5c5cedaa00a00ab849b6876719109.jpg?width=600&crop=1:1,smart)