命の大切さを知るー子どもたちに伝えたワークショップー
こんにちは。
メンタルウェルネスあおぞらです。
私は普段、医療機関で人生の最終段階にある方々と関わる仕事をしています。
先日、職員の子どもたちを職場に招き、私たちの仕事を知ってもらうイベントがありました。このイベントでは、子どもたちが普段見ることのない親の仕事ぶりを知り、親がどのように人々のために働いているかを学ぶ貴重な機会となりました。子どもたちの価値観や将来の仕事観にも良い影響を与える素晴らしいイベントだったと思います。
その中で、私は中学生や高校生向けに「人生会議をしよう」というテーマでワークショップを行いました。
人生が限りあるものであり、自分自身も含めて、誰もがいつかは死を迎えるという現実について考える機会を提供しました。
死は悲しいものですが、それを理解することで、どのように生きるかを考え、生を全うすることの大切さを伝えることができます。
そして、参加した子どもたちに、お父さんやお母さんが人々の人生を支える大切な仕事をしていることを知ってもらうことができました。
日本では、「死」というテーマはタブー視されがちです。そのため、体が人生の最期を迎えようとしている時でも、必要以上に延命治療が行われることがあります。生物学的に見れば、生き延びることは正しいことかもしれませんが、医療現場では複雑な葛藤が生まれます。本人が望んでいない延命治療が家族の希望で行われることもあり、時には身体が耐えられない状態で点滴や人工栄養が続けられることもあります。
もちろん、これらが本人や家族の意志で行われるのであれば問題はありません。ただし、本人の意思や生き方、最期の迎え方を考えずに行われてしまうことには疑問を感じます。
日本は高齢化が進み、多くの人が亡くなる「多死社会」と呼ばれる時代になりました。国も「人生会議」という取り組みを通じて、自分の最期をどう迎えるかを考えることの大切さを呼びかけています。
このイベントを通じて、参加した子どもたちが少しでも何かを感じ取ってくれたなら、とても嬉しいです。
親がどのように社会に貢献しているかを知ることは、子どもたちにとって大きな学びとなるでしょう。自分の家族が他の人々の人生を支える役割を担っていることを知ることで、子どもたちの中に、他者を思いやる心や、未来に対する責任感が芽生えるかもしれません。このような経験は、子どもたちが成長し、将来の進路や仕事を選ぶ際にも影響を与えることでしょう。
私自身、このワークショップを通じて、子どもたちがどのように感じ、何を考えるのかを見守ることができたのは、大変貴重な体験でした。彼らが「生きること」や「死」というテーマについて考えるきっかけを持ち、自分の人生に対してより主体的に向き合えるようになることを心から願っています。
このようなイベントが、これからも続けられ、未来の世代に伝えられていくことで、少しでも社会全体が「死」をタブー視せず、誰もが自分の人生を大切に考えられるような風潮が広まっていけば、とても意義深いことだと感じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。