支えること
うつ病を患う本人と、支える家族。
本人がよく訴えるのは「孤独感」で
家族が感じるのは「孤立」だと思う。
本人のこころと、 いわゆる社会との狭間で
家族は途方にくれてしまう。
時にそれは拒絶になってしまう事も 。
願う事は同じはずなのに。
個人差がある話で恐縮ですが、
家族の多くは繋ぎ留めたい、うつになる前に戻って欲しいと願い、
逆巻く川にかかる橋になりたいと思うでしょう。
でも、うつの世界は想像以上のものなのです。
中には「うつになったのは家族のせいじゃない?」とばかりに
陰口を叩く人がいるかもしれません。
私も経験ありますが、そういう目で見られたとき、
負い目をまったく感じない人などいない。
そういう時、
孤立したり、孤立を恐れる余り拒絶が芽生えても不思議じゃない。
支える人を支える事が大切だと思います。
どの家族でもという訳じゃないけれど、
家族の中で大きな役割を持っている人、
例えば家事全般をこなしていたとか、
自営ならばよく働いてくれていた人だとか、
そういう頑張り屋さんがうつ病になった時、
他の家族の誰かがその役目をしなくてはいけなくなる。
最初はうまくいかない事が多い。
そんな時、だれが助けに入ると思います?
うつ病を患っている本人の場合が、多いそうです。
見るに見かねてとか罪悪感だとか、
色々な気持ちが出てきてしまって、無理をしちゃうんです。
気持ちはわかるけど・・。
家族の方は、ヘルプしてくれる人を待つか探すことが大切です。
また個人差のある話。
うつ病は考えが固まってしまう病気だ、と言われますが、
これは本人だけではなく、家族も固まります。
いや、自分はならないという人ほど、頑なになります。
頑なになった人は、周りの声を聞かなくなります。
聞こうとするのは、自分が好む答えだけ。
苦言は、通じなくなる。
「自分しか、支えることができない」と悩むのも、この頃です。
私もそうでした。
うつ病には、浮き沈みがあります。
日にもよるし、時間帯にもよる。
本人は経験から「ああ、きたか・・」と受け入れざる得ない。
そういう感覚を持っていると思うのです。
じゃあ、周りの家族はその波をどう感じてる?
調子の良い日が続いていたと思っていたら、
うつの波が来てしまう。
そういう時、本人よりも家族が落胆してしまうことがあります。
「せっかく良くなってきてたのに、またか」と。
声に出さなくても、顔や声色に出てしまう。
その表情、本人は敏感に察します。
それで自責の念に駆られたり拒絶したり。
本人よりも家族のほうが、
ネガティブな面ばかりに目がいってしまうことがよくあります。
少しずつ良くなってきているのに、
かなり良くならないと良くなったと考えてしまうことも。
第三者の目が、家族にも必要じゃないかと思います。
「わかって欲しい」 「どうしたら理解できる?」
本人と家族との間での、永遠のテーマ。
心の中は、そう簡単に覗く事はできない。
たとえ家族でも。
家族ならなおさら。
でもあきらめずに伝えようとすることが
大事なんじゃないかと思います。
支える家族、支えられる本人。
でも、
その家族を支えるのは、本人自身でもあると思います。