あがりやすい人は、性格が要因のひとつにある
プレッシャーがあがりを生じさせる要因となっているのは、不安感の大きさが影響しています。
この不安感には、大きく分けて2つの要素があります。ひとつは、状況や環境が原因となって抱く不安で、〝状態不安〟と呼ばれるものです。例えば、レースのスタートラインに立った状況で、そこに置かれた状態が不安感をもたらしているようなときを想起してもらえたらいいかもしれません。
もうひとつは、元々持っている性格によって不安感を抱いてしまう場合で、〝特性不安〟と呼ばれているものになります。普段から抑うつ傾向が高い人や心配性の人が、特性不安が高いとされます。
この抑うつ傾向が高い人や心配性の性格を持つ特性不安が高い人が、あがりやすい傾向にあると言われています。人よりも必要以上に心配してしまう、または落ち込みやすい性格の人は、緊張しやすいのだろうと想像できるでしょう。
また〝自己意識〟が高い性格の人も、あがりやすい傾向にあると言われています。自己意識とは自分に対して意識を向けやすい人のことで、特に他者の自分に対する評価を気にする「公的自己意識」が高い人ほど、プレッシャーがある中で緊張しやすいという結果が得られています。周囲のことが気になって不安が増長し、うまく体が動かなくなってしまうことが想像できます。
以上の通り「自分は性格が原因で緊張しやすいのかもしれない」と感じた人もいると思います。この特性不安を持つ性格というのは、なかなか変えることが難しいかもしれませんが、試合前は余計な不安を持たないよう努めることが肝心です。必要以上に心配や落胆したりせず、開き直って気持ちを切り替えることが必要であると心に留めておきましょう。
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