その他の緊張をコントロールするメンタルトレーニング
○キューワード(切り替えの「合図になる言葉」を発する)
緊張しているときには自分でキューワードを作っておけば、気持ちを安定させることができます。落ち着かせるために「リラックスしよう」や「良いプレーができている」といったようなキーワードを思い浮かべたり、独り言で発してみたりするのです。野球中継で選手が独り言を口にしている場面を目にすることがありますが、自分が安心できるような「合図になる言葉」を持っておき、その言葉を口にすることで反射的に緊張がほぐれていくことを意図としています。
○サイキングアップ(気持ちを盛り上げる)
今までのメンタルトレーニングでは、以前に示した図1の逆U字曲線の右よりに位置する場合になる過緊張を修正するための方法を説明してきましたが、今度はグラフの左よりに位置する状態の場合の修正方法を紹介します。緊張感が上がらず気分が乗らない、または競技に集中できない、諦めてしまっているような場合には、適度に緊張感を上げるためにサイキングアップを行って気持ちを盛り上げる必要があります。気合を入れるために大声を出したり、顔や足を叩いたり、円陣を組んで士気を上げたりしているのをよく見かけますが、これらはサイキングアップを行っていると考えてよいでしょう。
そのほかに方法を挙げると、意図的に短く速い呼吸を繰り返す方法があります。これによって緊張レベルを高め、眠っていたやる気を覚醒させます。また先にリラックスするために「キューワード」が効果的であることを説明しましたが、サイキングアップにおいてもキューワードは有効です。自分のテンションが上がるような言葉を意識しておき、それを独り言で言葉に発することも推奨されています。「できる!」など、自分自身で気合の入る言葉をあらかじめ考えておくといいと思います。
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