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上達への近道となる選手へのアドバイス法は?

 スポーツの技術を上達させるためには、あらゆる情報を取り入れて自身に足りないものや役に立つものを生かしていきます。これら情報を選手自身に還元することを〝フィードバック〟と言いますが、フィードバックには〝内在的フィードバック〟と〝外在的フィードバック〟があります。

 内在的フィードバックは、選手自身の視覚や運動感覚などから情報を取り込み、理想としている技術と自身の動きとの差を感じ取ることを言います。陸上競技の走り幅跳びで例えれば、跳躍する踏み切り位置にピタリと足が合わなかった場合、自身が感じている調子の良さや風の動きなどの感覚を自分でとらえ、自分で得たそれらのフィードバック情報を次の試技に生かしていくようなケースを指します。

 一方の外在的フィードバックは、コーチから受けるアドバイスや撮影したプレーのビデオを見るような、自分以外から提供された情報を得て、理想としている技術が行えるよう自身の動きとの差を修正していくことを言います。走り幅跳びを同様に例えれば、選手が跳躍している横でコーチがビデオを撮影し、助走や跳躍についてのアドバイスやビデオを見ながら自分の動きをチェックして、得られたフィードバック情報を次の試技に生かすような場合が当てはまるでしょう。

 技術を上達させるためにはフィードバックを得ることが不可欠ですが、この外在的フィードバックによる情報の得方によって、実は上達の仕方が大きく変わってくることになります。アドバイスやビデオからの情報は、なるべく詳しく、出来る限り数多く、そしてプレーのすぐ後に得た方が上達すると考えてはいないでしょうか。選手にとって得られるできる限りの情報をフィードバックさせてあげることが、コーチとしての役割だと考えてはいないでしょうか。しかしフィードバックさせる情報は、詳細なものよりは「簡潔」に、「頻度は控えて」、「ある程度遅らせて」与える方が上達への近道だとされているのです。

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