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『「しないこと」リストのすすめ』 辻信一 (ポプラ新書)

純粋にやってみたいことが出てきたときだけでなく、自分自身に対してあんまり自信が持てない時、追加で「やること」を自分に課してしまいます。。。思いついたことをジャンジャン行動していけば自分も成長できるし、前に進む感じがするからいいんじゃない、と思っていたのですが、当然全部できるわけでもないので葛藤があったりする日々。

そんな中、これもTitleで見つけたのがこの本。足し算方式の自分と違う方向の「人生を豊かにする引き算の発想」というサブタイトルに思わず手に取りました。
そして、「自称:ナマケモノ教授」、とプロフィールにナマケモノを抱いた著者の写真が出ていたのにも惹かれました。

(私が買ったのは第一版で、苔のむす森林で著者が黄昏ている素敵なカバーでした。)

いろんな方向から結構思い切って「しない」と決める提案がされていて、びっくりしたところもありました。(恋愛や結婚の機会をやり過ごす、また機会はあるから、なんて、そんな無責任な、と思ってしまいましたが)
でも、発想を変えてみれば、自分の中で何が大切か、素に戻して感じさせてくれるものですね。
「しない」と決めるけれど「絶対」と決めすぎないところも、余裕を持たせてくれて気持ちが楽に。

引き算することは、自分の中の弱さや限界を否定せずに、受け入れていくことにつながるんですね。
「しない」を選択することってどうしてもダメなことのような気がしてたけど、時には助けてくれることもある。

上手くいかないな、これができなかったな、不安だな・・・。
今の自分でいること、こうであることに対してどうしても否定的になってしまうことがあるけれど、そこで足し算してカバーアップしようとするだけが方策ではない。

結局、最後に書かれていた、「眠っている潜在的に持っていた「なる」の力」を引き出すための適度な「する」「しない」の力、というところが自分の中では一番しっくりきました。

そうこう思いながら書いた私の「しないこと」リストの一部。
・夜考えすぎない、ろくなことないから
・過去は振り返らない、反省はするけど
・見栄を張らない
・「絶対」は使わない
・(人生も)駆け込み乗車をしない、乗り遅れることはダメとは限らないから
・劣等感を脱ぎ捨てない

書くのは簡単だけど。。。
その他、日々の小さな出来事でも迷ったら「しない」(それも罪悪感のない)が選択肢に加わったことで、自分に変なストレスを与えなくて良くなりました。

最後に、「『今の自分に満足すること』がタブー視される自己否定的な社会」に身を置いているかもしれないということ社会的内容も考えさせれました。そういう面もあるかな、とは思った。最近弱さを生かしたり、生きづらさを柔軟な発想で楽しい生き方に変える方向の話も増えていると感じるので(自分が最近読んだ本を通しても)、いい方向に行っていると信じたいです。

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