ワンオペサロンの倒産リスクが高まる5つの原因を深掘りしてみた - ⑤セルフマネジメント能力の低さ
前回までの続きです。
①集客力不足とその対策
②業務効率の悪さとその対策
③お客様の満足度の低さとその対策
④経営戦略の乏しさとその対策
帝国データバンクのまとめによると、2024年国内で倒産した脱毛サロン(含むクリニック)の軒数は、14軒にもなるとのこと。
大手だけでもこの軒数なので、水面下で閉業を迫られている個人経営の脱毛サロンはかなりの数あると予想できます。
個人サロンが閉業するとき、共通して次の5つの原因があると考えられます。
集客力が足りない
サロン業務の効率が低い
お客様の満足度が低い
サロンの経営に戦略性が乏しい
セルフマネジメント能力が低い
この5つの原因の解説と、対策についてお伝えしていきます。
なお、このシリーズは主に「メンズ脱毛サロン」についての解説になりますが、
個人経営
美容サービス提供サロン
男性のお客様メインで集客
経営者がお客様対応の全てを担当
という個人サロンなら、どの分野でも当てはまると考えてOKです。
今日は「経営者自身のセルフマネジメント」について、個人で実店舗ビジネスをする際見落としやすいポイントと、必要最低限の自己管理の方法についてお伝えしていきます。
ワンオペサロンの経営で自己管理不足が招く悲劇
［セルフマネジメント不足①］長時間労働が自らの首を絞める
ワンオペサロンは、全ての業務を一人でこなすため、その分長い時間仕事に拘束されます。
慣れていないと、一つの業務にも時間がかかりやすく、寝る時間を削ることにも。
そういった長時間労働や仕事が終わらない、休めないといったストレスで、どうしても体調を崩しやすくなります。
体調が悪ければ顔色にも出るし、肌質にも影響します。
男性の美容を提供するメンズ脱毛サロンにおいては、中の人がやつれているのは、間違いなくイメージダウンにつながります。
施術のクオリティにも影響するので、良いことはありません。
［セルフマネジメント不足②］ストレスが経営の失速に直結
そういった負のループも、自分一人で解決しないといけないのがワンオペサロンの宿命です。
ここでメンタルを保てないと、個人経営のモチベーションがどんどん低下します。
何のための個人経営か、何のためのメンズ脱毛かを見失い、労働マシンになりかねません。
心身の疲労が溜まると、いろんな意味で視野が狭くなります。
経営改善に必要な情報はもちろん、脱毛業界の最新の動向や近隣の競合調査にまで頭が回らず、時代に取り残されてしまいます。
売上が足りないから働かないと、というネガティブな義務感のせいで、毎日の余裕がどんどん減ります。
［セルフマネジメント不足③］アイディア不足で突破口が見つからない
頭の中が悩みごとでいっぱいだと、問題解決のためのアイディアを思いつくスキがどうしても生まれません。
身体は資本とはよく言いますが、肉体的に疲れは間違いなくメンタルにも
ダメージを残します。
この両方の整え方、回復方法を知らないままワンオペで経営を続けるのは、定期的な車検を受けずに走り続ける車のような状態。
個人経営はどうしても売上確保に目が向きがちですが、実はその手前の、自分自身の管理が売上に関わっていることを知らないと、まさに悲劇が起こります。
では、ワンオペサロンが倒産しないようにするために、どんなセルフマネジメントが必要かをお伝えしていきましょう。
今回も読んですぐ実践できるものをまとめています。
ぜひ参考にしてください。
ワンオペサロンでは多角的なセルフマネジメントが必要
【セルフマネジメント①】労働時間をコントロールする
やるべきことが多いからと言って、朝から晩まで働き詰めになる仕事の仕方からは、一日でも早く卒業しましょう。
予約制のサロンであればなおさらです。
なぜなら、個人経営は働いた時間＝収入、という図式が成り立たないからです。
予約が入った分だけ収入になるので、それを踏まえて効率的な働き方ができるようになりましょう。
まずはご自身の体力と相談です。
朝から晩までサロンに詰めっぱなしの働き方が、ご自身の生活サイクルにちゃんと合っているかを確認してください。
雇われで働くよりも、間違いなく身体が資本になるからでもあります。
個人でやる分、自由に働き方を決められるので、朝型、夜型といった生活サイクルに合わせた営業時間にすると、より働きやすくなります。
また、長時間働く＝頑張っている、という考え方は、雇用される側にいるときの話。※今の時代雇用される側も、こういう考えは古いと見なされます
個人経営では、短い時間でも集中して稼ぐ、と考えて、とにかく効率良く働くようにしましょう。
業務効率化、お客様の満足度のそれぞれでもお伝えしたように、予約はシステムを導入して、効率良く受け付けられるようにしましょう。
システムが入れば、1週間単位、1か月単位で予約状況がいつでも把握できます。
空きがある日時を敢えてオフにして、忙しいときに備える、というのも手です。
働く時間の調整は、個人経営だからできること。
ぜひフル活用してください。
【セルフマネジメント②】予約の間に休憩時間を必ず作る
予約がどんどん入り始めると、予約の間の休憩を削ってしまいがちですが、これはぜひ止めましょう。
お伝えしたように、個人経営は長時間働けば良いというものではありません。
特にお客様に直接触れる施術を提供するサロンでは、休憩なしに働き続けると、その分施術のクオリティが下がります。
接客の内容もどうしても悪くなりがちです。
個人サロンのメリットは、お客様との距離感が近いことと、お一人の方に十分時間をかけられることです。
施術のクオリティを常にベストに保ち、個人サロンのメリットをいつでもお客様に感じていただくために、予約の間は必ず休憩を入れてください。
自分一人で全てのお客様を対応すると、頭の中の情報の整理が追いつかなくなることもあるでしょう。
人によっては、接客疲れをしてしまうこともあるかもしれません。
ご自身のリセットのためにも、休憩を有効活用してください。
【セルフマネジメント③】経営が安定する前から定休日を作ろう
開業直後や、売上が伸び悩んでいるときは、1週間毎日開店させたいと思うものです。
個人経営だからこそ、休みなく働こうと考える方もかなりいらっしゃるかと思います。
でも、ここまでお伝えしてきたように、個人経営の効率の良い働き方としては、しっかりオフを作ることが前提です。
休みの日を作って、仕事以外のことで一日を使えるようにしましょう。
仕事だらけの毎日だと、どうしても私生活が疎かになります。
生活が乱れると、思考回路もどうしても乱雑に。
アイディア勝負の個人経営で、身も心も疲れ切ってしまうのは、経営が安定しない原因です。
予約状況がしっかり管理できれば、1週間、1か月の中で空きやすい箇所が見つかるはず。
仮にまんべんなく予約がバラけていたら、その中で予約が少ない日や、毎回スケジュールを固定してお越しになるお客様がいらっしゃらない日を探しましょう。
個人経営の生活サイクルに慣れるためにも、できれば週1で決まった曜日に丸一日休みが作れるとベストです。
この「休み作り」に慣れてくると、月10日休んでも売上が落ちずにむしろ上がっていくという現象に出会えます。
ぜひこの状態にまで持っていけるように、「定期的に休んで当たり前」という仕事の仕方を身につけましょう。
【セルフマネジメント④】ストレス対策を必ず取り入れよう
たった一人で全てのお客様を対応していると、大なり小なりストレスが溜まってしまうもの。
抱え込まずに吐き出す、解消する環境も、必ず用意しましょう。
たかがストレス、されどストレスです。
よく分からないけど調子が悪い、どうにも気分が乗らない、といった微妙な不調は小さなメンタルのストレスの積み重ねが原因だったりします。
一人で全ての仕事をする環境だからこそ、ご自身の心の状態には、身体と同じかそれ以上に気を使ってください。
休憩時間やオフの日を丸一日確保すべきなのは、このストレス対策のためでもあります。
ストレス対策には、まず睡眠時間の確保です。
睡眠不足は心身の疲労を溜め、思考をネガティブに寄せることになります。
ポジティブな発想ができるように、しっかりと眠れる仕事の仕方をぜひ。
趣味に没頭したり、旅行に行ったりして、仕事以外の環境にたっぷり浸るのは、メンタルを病まずに個人でビジネスを長続きさせるために必要な時間です。
運動の習慣もぜひ取り入れてください。
ワンオペでお客様対応をするための体力づくりにも、心身の若々しさを保つためにも効果的です。
気心の知れた友人との時間も、ぜひ大切にしましょう。
仲が良く、あなたのことを良く知った人の客観的な視点が、ストレス解消に役立ったり、全く新しいアイディアが思い浮かんだりします。
壁にぶち当たったときにも、友人知人との交流が効きます。
一人で抱え込まずに、より広い視野で物事を考えられるように、オフの時間で他者との関わり合いをぜひ大切にしましょう。
【セルフマネジメント⑤】情報を外に取りに行こう
友人知人だけでなく、ビジネスの世界の人たちとの接点も積極的に持つようにしましょう。
あなたのサロンの業界で、今何が流行り、何が問題になっているのか、市場全体の隆盛はどうなっているのか、など、最新の情報に触れておくことで、ワンオペで生き残っていくためのヒントが見つかります。
今はネットやSNSで情報収集が簡単にできるので、自分に必要な情報を精査して、触れ続けていきましょう。
同業だけでなく、異業種の個人経営者や、その業界のトップを走り続けている方、お手本にしたい経営者、インフルエンサーは積極的にフォローしていくことをお勧めします。
いろんな経営者の情報に触れることで、あなた自身のビジネスに対する価値観も磨かれていきます。
興味があってフォローした方が、実は自分の価値観と真逆の人だった、ということはよくあります。
逆に、全く認知していなかった方の何気ない投稿が、あなたの抱えている問題をサクッと解決するヒントだったりもします。
同業だけでなく、様々な業界に目を向けることで、より多くの刺激を受けることができます。
情報の刺激は、メンタルのリフレッシュにもなるし、新たな思考回路が組み上がるキッカケにもなるので、自己成長につながります。
ぜひ外に目を向けて、経営者としてのあなたの視野を広げていきましょう。
【セルフマネジメント力UPのまとめ】
それではまとめていきましょう。
ワンオペサロンが倒産リスクを下げるために必要なセルフマネジメントには、
労働時間のコントロール
休憩時間の確保
店休日の設定
ストレス対策
業界の内外からの情報収集
があります。
これらに着手することで、ワンオペサロンの働き方は圧倒的に効率良くなり、より売上作りに集中できるようになっていきます。
ぜひ、できる部分から取り入れて実践してしてみてください。
メンズ脱毛サロンの経営を知識とアイディアで極めよう
メンズ脱毛ロードマップでは、個人経営のメンズ脱毛サロンの、
潰さない
競合に負けない
お客様を離さない
こんなサロン経営を、2015年から継続中のワンオペ現場経験を基にサポートしていきます。
今後も続々と更新予定です。
主にInstagramで活動中。
ミヤキ | お客様に恵まれ成功するメンズ脱毛サロンの構築
https://www.instagram.com/mensdatsumou.roadmap/
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