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杏地 vs ピラフ星人騒動に対する俺の見解

U-22 MC BATTLE 2024 FINAL 準決勝の杏地 vs ピラフ星人がまぁまぁ叩かれてるんすけど。

要は「ピラフ星人が負けてるのにピラフ星人ファンが判定で騒ぎすぎて何回も延長した」という、観客民度低い問題についての騒動ですね。こういう試合はたまにあります。
これについて面倒くさいけど語ろうかなと思います。ラッパーだけど、あくまでMC BATTLEが好きな一個人として。

はじめに

この大会はピラフ星人自身がSNSで「自身のMC BATTLE引退大会」と銘打っています。

本人も「無理に勝たせようとかは絶対にしないで」と伝えてはいますが、TikTokで名を馳せた彼の最後の舞台に、運営より禁止されているはずの「溜まる行為」が発生するほどの状態になりました。

自分はTikTokをやらないもんで彼の人気を目にした事はありませんが、相当な人気ですね。


問題の準決勝

まずお互いの別BATTLEから彼らの戦い方を整理しましょう。

杏地

北海道をレペゼンする杏地。元々はMCリトルという名前で活動していたが、本名の「杏地」に名前を改名。スタイルは剥き出しのバイブスと押韻が特徴的。

ピラフ星人

突如現れたニューカマー。主戦場をTikTokで活動し、メチャクチャにバズってる(らしい)
スタイルは早口と仕込んでいるネタ押韻。

UMB北海道代表も経験しており、あと2つ勝てばKOKという国内最大級のMC BATTLEに進出出来ると息巻く杏地と、引退試合で絶対に負けられないピラフ星人という組合せとなっている。

さて、当該のMC BATTLE。
杏地 vs ピラフ星人の試合はABEMAで観れます。
(1/6時点)

内容としては「自分の物販の横で嵐を大音量で歌ってた、お陰で運営に怒られた」とピラフ星人が裏の話をすると「お前も楽屋でビート聴いててうるせぇよ」と裏の話で返す杏地。お互い北海道出身との事でレペゼン北海道 vs 北海道を捨てた(北海道を背負っていない)構図にもなっている。

観客の歓声が半々になり2回延長となり、3回目でギリギリ杏地が勝利した。

仲間を呼んだ「成功」と「失敗」

こういう試合は前述した通り、たまーにあります。
要は仲間やファンを集め、普段なら負ける試合も歓声を集めて勝利にしてしまう、という試合です。
その中でも「成功」と「失敗」という2パターンに分けられると思ってます。

成功 : 仲間やファンを呼んで「勝利」した
失敗 : 仲間やファンを呼んだが「敗北」した


「成功」はこちらのバトル。

言×THEANSWER vs OREOという一試合。
高校生RAP選手権出場者に対して無名のOREOが圧倒的に勝ちますが、これは司会も含め大会ぐるみのサクラ感がすごいですよね。
帰りに悪口を伝えて帰るANSWERにもdisる悪代官みたいなスタンスで会場爆沸き。
昔観た時はそうでもなかったですけど、今観るとOREO普通に上手いですね。ただこんな沸きはしなくてもいいけど。なんかOREOが好きというよりかはANSWERに恨みがある人だけ呼んだみたいな沸き方。今ではあまり観ません。

対して「失敗」はこちら。

MOL53氏とJack Flashの一戦。
様々な大会で悪態をつくが圧倒的なskillで黙らすダークヒーロー的存在の53氏にJack Flashが立ち向かう。これは上手いというか明らかに冷やかしみたいな沸き方で「身内ノリか?」とスパッと嗜める53氏。これは声を上げた側が負けるという例になります。

話を元に戻す

最近「MC BATTLEが終わった」などと言う人が増えました。感覚的にはずっとアンダーグラウンドでやってきたMC BATTLEがTV「フリースタイルダンジョン」にて放送されてからです。
しかしフリースタイルダンジョンは盛り上がり、MC BATTLEが好きな人の人口をあっという間に増やしていきました。

個人的な見解としては「(今までの)MC BATTLEが終わった」そして「新しい時代が始まった」という認識です。TikTokからここまで這い上がったラッパーも例を見ないので、「新しい」が受け入れられない客層たちが憤怒しているんでしょう。しょうがないです。これまで通りかっこいいラッパー「だけ」観たいだけだから。
でもそれをずっと続けても何も面白くありませんし、彼らもいずれ飽きます。若手の下剋上、ニュースターの誕生。そういった刺激がシーンを底上げしていきます。

最近「ZORN」というラッパーが色々とヘッズに認知されてくるようになりました。

彼は元々「ZONE THE DARKNESS」というラッパーで、10代の頃から激戦区の東京のMC BATTLEシーンで戦い続けました。
skillも申し分ないですが、彼もMC BATTLEの大会で仲間を呼んだ事があります。その大会は血の気が多い観客層で、判定を聞く際に相手に喧嘩を売るような仲間達がいました。とにかく優勝しなきゃ目立てず売れない生活を送るような時代、メチャクチャRAPが上手い彼でもそういう過去があります。

両方と面識も言葉を交わしたことのない中立的立ち位置の俺個人的な見解としては、これに関しては「相手方のラッパー側が悪い」です。全部通して杏地がそんなに圧倒的に勝ってた試合でも正直無かったです。そういうMCはskillで黙らせるしかないんです。あとそもそも、そんなに「騒ぐ」内容でもないです。火種として「TikTokのお騒がせ者がおままごとのRAPしてる」というアンチが大勢いるだけで、ピラフ星人もいつも使うネタを捨てて即興で戦っていましたし、杏地がそれを上回るような、有無を言わせないくらいのパンチラインはハッキリ言えば無しに近かった。

で、結果的にピラフ星人が「負けた」。前述した「失敗」にあたりますよね。だから全然騒ぐことじゃないんです。ピラフ星人が何も言葉を発さないで勝ったらこんなに騒いでもいいですけどね。

これも実は理由があります。年末に行われた戦極×凱旋というイベントで、2つの事件がありました。

1つは「呂布カルマ氏が小学生と闘うのを放棄し試合途中で帰る」。
もう1つは「某MCが試合中に黒人差別をした」。

両方でかなり嫌な気持ちになってしまったヘッズも多いと思います。そんな最中のこの試合なので、ヘッズたちも気が気で無かったんでしょう。色んな複雑な感情に惑わされながら。

最後に

MC BATTLEというのは売名行為に近いものがあります。自分のskillやスタンスがどこまで観客を魅了できるか。
そんなMC BATTLEも昔みたいな燻し銀の時代から次の時代へフェーズが移ります。
これをどう捉えるかは皆様次第。自分も色んな移り変わりに悶えながら、しつこくMC BATTLEに出て皆様の前に立てる日が来ればいいと思っております。
何か言いたいことある人いたら何らかの手段で連絡ください。よろしくお願いします。


それでは✌︎

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