小分け版:失語症文化論仮説 3
(前回の投稿から 1か月以上空きました。また少しずつ書いていきます)
これまで取り組まれてきたこと、即ち先行研究に注目することは、先行研究が存在するということになる。筆者はその存在だけに注目していた。そして、失語症者への理解が進んでいないという現状が、下の3コマに示すように見えなくなっていた。
何故、世の中に失語症や失語症者のことが知られていないのか。
前述の小林先生は「他のコミュニケーション障害と比較して、その言語機能の障害が話す、聞く、読む、書くのすべての側面にわたっているという特徴」のために世の中での理解が進みにくい。そして、「当事者である失語症者自身がこれを説明する手段を持っていない」と説明している。
言語障害である失語症だからこそ、自分がコミュニケーション困難になっているという状況を相手に言語を使って説明することが困難になっているのである。
注:筆者は定義や障害として書くときに「言語」と記し、一般的な我々の会話を説明の対象として書くときに「ことば」と記している