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リメンバー病院祭              2. 体力測定ルームから見えたのは

リメンバー病院祭   

2. 体力測定ルームから見えたのは

(1)「体力測定ルーム」とは

 COVID-19感染拡大防止のため、 職場では2020年から病院祭は中止となっています。
 中止される前までは、自分の所属科であるリハビリテーション科も1つのブースを担当していました。
 「体力測定ルーム」という呼び名で、来場者に体力測定を行っていました。

 主な来場者は、入院患者さんのご家族、ステージイベントに参加した園児の親御さん、職員の知り合いの方々、近所にお住いの方々でした。20代から80代と幅広い年齢層でした。 
 
 入院中の患者さんは殆ど来ることができませんでした。
 病院祭は日曜開催。当日出勤している看護師さん・介護さんは、休日体制というギリギリの人数で業務を行っています。このため、同じ病院内でのイベントであっても、患者さんに付き添う時間を持つのは難しいと看護師さんが話していました。
 
 リハビリ室は普段はマット、平行棒や起立台などが並んでいます。病院祭では、それらを移動して、飾りつけをして「体力測定ルーム」会場に仕立て上げます。 

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 「体力測定」としては、身長、体重に始まり、握力、上体起こし(腹筋のことです)、体前屈、閉眼片足立ちなどを行っていました。

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 リハビリスタッフの間で、予め「体力測定」で誰がどの項目を測定するのかの配置決めをしていました。

(2)リハビリテーション科カンファレンス
  「体力測定」の 配置決めは、リハビリテーション科カンファレンス(以下、リハ科カンファ)の中で行っていました。

 名前こそ「カンファレンス」となっていますが、「カンファレンス」と呼んでいいのか、ためらいます。10名程度のリハビリスタッフですが、あちこちに脱線してなかなか話が進まないのが常です。
 例えば、「体力測定ルーム」の会場を設営するとき、杖や歩行器などのリハビリ室の用具を一か所にまとめて、人目につかないようにシーツを使っています。このシーツの枚数を決めるとき、

担当   :「シーツは何枚あればいですか?」
スタッフA:「毎年5~6枚くらいじゃないですか?」
スタッフB:「あのシーツって、いつも南病棟の介護主任にお願いしてるよ  ね?」
スタッフA:「去年、リネン庫の鍵が見つからなくて、たいへんでした」
スタッフB:「誰が持ってたの?」
スタッフA:「確か、〇〇さんです」
科長    :「〇〇さんって、もうやめたよね」
スタッフB:「えー、知らなかった。いつ?」

という具合に、思い出話、職員の噂話になって、深みにはまっていきます。
 このままでは、シーツの枚数はいつまでたっても決まりません。こんなときは、誰よりも意見力があるポニー先生(仮名)が、
「それでシーツだけど、去年5~6枚くらいだったというなら、もしもの不足に備えて、プラス2枚で8枚にしておいたらいいんじゃない?」
 これで8枚に決まります。
 
 病院祭に限らず、リハ科カンファは医療保険や介護保険の改定時の書類作成も、

   話題 → 脱線 →ポニー先生(仮名)の提案でまとまる

だいたいこのパターンとなっています。このことは数年勤務してから気付きました。

  このパターンで決まることはわかっていても、「体力測定ルーム」の配置が決まるのは何分かかるのでしょうか。
 配置は、
 ・身長測定
 ・体重測定
 ・握力測定
 ・上体起こし(腹筋のことです)
 ・体前屈
 ・閉眼片足立ち
 ・体力測定の受付係
 ・データ入力
 8項目あります。
 混雑時に備えて、いずれも2人組で対応できるとよいのですが、すると  15名程度必要となります。リハビリスタッフが10名程度なので足りません。
 そこで看護師さんに人員補充を依頼することになります。

 この配置決めにかかる時間は、正確に測ったことはありませんが、20分はかかっていたような気がします(「早く終わらないかな」と思っているので、いくらか長く感じているかもしれませんが)。
 もしかしたら、当科スタッフは「カンファレンスは長い方が良い」と捉えているのではないかと思うこともあります。  
 このリハ科カンファは、業務後につまり時間外に行っています。「カンファレンスは長い方が良い」に従うと、居残り時間が長くなるわけです。この点もまた内包している問題の1つではないかと思っています。

 ……話が脱線してしまいました(人のこと、言えないです)。
 上述のシーツの枚数と同じく、口頭だけで話が進むことが不思議でなりませんでした。
 メモを取っているのは、リハ科カンファの書記か病院祭の主担当でした。そのメモは手元で取っているので、他のスタッフには見えません。見えていないのですが、最終的に役割が重複することなく決まるとは!

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 自分以外のリハビリスタッフには、共有可能な脳内ホワイドボードが内蔵されているのではないか、新参者の自分には到底持ちうるに及ばないと思いました。

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(続く) 

                       2021年5月16日

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