おのぼり計画をたてる
「3年ぶり」というワードが巷で騒がしい。
コロナの影響でしたいようにできずにいた人たちの気持ちが、ようやく動き出すという感じ。
ずっと家と会社の往復を続けてきて、ルーティン化しているからすっかり慣れているとはいえ、ストレスはたまる。
たいしてストレス解消もできず、悶々と暮らしている。
が、そろそろ本気で出かけたくなってきた。
非日常な気分に浸りたいんだ。夜景が見えるバーカウンターというシチュエーションにいる自意識過剰な自分に酔ってみたい、ホテルの朝食で溺れるような量のバターを使ったオムレツ食べたい。
コロナ前に「今度東京行ったら寄ろう」と考えていてグーグルマップにチェックを入れていたのを思い出した。こんな感じでいくつかグーグルマップにチェックが入っている。
上方のお笑いはなじみがあるけど、寄席は未知の世界だ。寄席ならやっぱり浅草か。
黒川紀章氏、最後の作品を観たいし、企画展のルーブル美術館展も見たい。
これが江戸っ子だろ?江戸っ子ごっこしたい(笑)
とりあえず、こんな感じで東京行く目的ができたのだが、違う目的もある。
なんだかんだ言っても娘のことが気にはなっている。
なので、来年の春前あたりそっち行くよ、とLINEをした。
そして、ホテルに泊まるなら一緒に予約しておくけど?と。
返事は、仕事が忙しいから無理!だと。
なんの仕事をしているのかは知らないんだけど。
聞きもしない私なのだけど。
なんで私は娘に、聞かないんだろうな。
自分でもよくわからない。
あえて知りたくないのだろう、知ったら知ったで余計な心配事が増える気がして。
断られた後の私の気持ちは。
うん、まぁ、そうか。
こんな時だけ母親面しようったって、そうはいかないのか、と思わされた気分だ。
母娘でラグジュアリーなホテルライフ、なんて気取ったってそれは私の自己満足なのか、と思える。
以前の私なら、イラついていたよな。
今は、違う。
私が東京おのぼりさんやっている間に、一度くらいごはんかお茶ができればいいかなと思うぐらい。
娘はもう、遠い存在になってしまったんだ。
それはそれで、仕方ないと思えるところまできた。
以前ならイライラしてたけど。
彼女は苦労しながらも、親の干渉のない好きな場所で好きなように生きているんだろう。(私は干渉しているつもりはないが、娘からすれば違うのかもしれない)
東京にいる娘がコロナで仕事を失った時、生まれて初めて娘はどうしたらいいかわからないと電話口で弱音を吐いた。
その時、私は「こっちに帰ってきたってまたここが嫌になるよ。」と、母親らしからぬことを言って帰省を阻んだ。
その言葉をどう受け取ったのかは知らないし、どう感じたのかはわからないが、娘はそれ以降弱音も吐かないし、愚痴も言わない。(私も尋ねたりは一切しないが)
元々、自分の本音を口にするような子ではなかったからその辺は不思議ではないのだが、もう少し向き合えばよかったのかもしれないと思うのだが、当時も今も結局どうすればいいのかわからんのよね。
3年前よりは、娘に対する思いも心配も減った。
コロナというものがなければ、もう少し関係性は違ったものになっていたかもしれない。
けれど、なるべくしてなる、そんな気がしてる3年目のコロナ禍。
ようやく動き出す。
気を取り直して、おのぼりさん計画でも立てよう。
きっと東京は楽しいし、ボッチにも優しい。