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尾行大作戦②

もう奥さんの運転する車はなく、
病院の前でタバコを吸いながら携帯を見ている彼がいた。

良かった。一人だ。
車から一人で降りたんだ。
見たくない姿を見ずに済み、ホッとした。

だけどまさか病院の前で立っているとは思っていなかったので、
私はびっくりして、急いで隠れた。

見られたかな?
彼が一瞬こっちを見たような気がして、
不安になった。

もし見られてたら、LINEがくるだろう。
車に戻りLINEをチェックしたが、
彼からのメールはない。
大丈夫だ、見られてない。

安心した私は、
奥さんの乗った車を探しに行くことにした。
だって、奥さんの顔、見るしかないでしょ?
病院の近くを何周も走る。
コインパーキングを覗いたり、
コンビニやドラッグストアを覗いたり…

あ、いた!

私は奥さんの乗る車の横を、
スピードを出来る限り落として走った。

あ、奥さんだ。
目が合った。
夜で真っ暗だったので、顔はよく分からなかったが、
目が合ったことだけは分かった。

あの人か…
あの人が彼の奥さんか…

あの人が、私の愛する人の奥さんか。
あの人が、私の愛する人と一つ屋根の下で暮らしている人か。
あの人が、私の愛する人のそばに、いつでもどこでも堂々といることができる人か。

あの人が…
私の愛する人が、大切にしている人か…

涙が止まらない。
私は1人で大泣きしながら、
1時間半かけて、家に帰った。

本当は、
今日の病院も私が付き添いたかったんだよ。
どうして私じゃダメなの?

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